うちの猫を見ていると、ふと「猫の神様って、いるのかな」と思うことがあります。猫の神様がいる神社は全国にあり、東京・立川の猫返し神社、宮城・田代島の猫神社、鹿児島・仙巌園の猫神社などがあります。
猫が神様になったわけも、蚕をねずみから守った、漁の守り神になった、殿さまと戦に出た、とさまざま。ここでは、そのわけで分けて、全国の猫の神社を紹介します。
猫を祀る神社は全国に。猫が神様になったわけで分けると5つ
| 猫が神様になったわけ | 神社の例 |
|---|---|
| 蚕をねずみから守った | 東京の猫返し神社、山梨の甲斐蚕影山神社 |
| 漁の守り神 | 宮城・田代島の猫神社 |
| 殿さまと戦に出た | 鹿児島・仙巌園の猫神社 |
| 言い伝えの猫 | 徳島のお松大権現・王子神社 |
| 猫の健康を願って新しく | 長崎の尾曲がり猫神社 |
関東なら東京・立川の猫返し神社と、猫のお守りがある茨城の素鵞神社。関西なら、京都府京丹後市に石の「狛猫」がいる神社があります。
招き猫の話がある東京の今戸神社や、お寺の豪徳寺は、招き猫の由来の記事で紹介しています。
蚕をねずみから守った猫:東京の猫返し神社、山梨の甲斐蚕影山神社
蚕を育てて絹をとっていた土地では、蚕や繭をかじるねずみが大敵でした。そのねずみをとる猫が、蚕の守り神として大切にされてきたのです。
- 猫返し神社(東京都立川市)
阿豆佐味天神社(あずさみてんじんじゃ)・立川水天宮の境内にある、蚕影神社(こかげじんじゃ)のことです。蚕の天敵のねずみをとる猫を、守り神にしています。「猫返し神社」と名付けたのは、ジャズピアニストの山下洋輔さん。猫の絵馬とお守りがあり、遠くの人には絵馬を郵送してもらえます。
- 甲斐蚕影山神社(山梨県山梨市)
差出磯大嶽山神社の境内にあるお社です。猫は、蚕をネズミなどから守る神様のお使いとして大切にされてきました。猫のお守りに「未来守」(2,000円)と「狛猫守」(800円)があり、2026年の猫の日(2月22日)には猫のための行事「報猫祭」も開かれました。
- 金刀比羅神社(ことひらじんじゃ)の狛猫(京都府京丹後市)
境内の小さなお社の前に、狛犬ではなく石の猫が一対で並んでいます。市の指定文化財です。養蚕が盛んだったこの土地で、蚕を荒らすネズミを退治する猫を表したものと伝わっています。
宮城県丸森町にも、養蚕の神様として建てた石碑などが「猫神さま」と呼ばれ、町内に80基以上あります。こちらは神社ではなく、石碑です。
ねずみを追いかける猫の姿が、そのまま守り神になった。そう思うと、おもちゃに飛びつくうちの子が、ちょっと頼もしく見えてきます。
猫返し神社に迷い猫の無事を願う話は帰ってくるおまじないの記事に、狛猫の見方は狛犬・狛猫の記事にまとめています。
漁の守り神になった猫:宮城・田代島の猫神社
宮城県石巻市の田代島は、漁が盛んだった島です。この島には、猫の行動を見て漁の良し悪しを判断した、という言い伝えがあります。猫は大漁を招く縁起のいい動物として親しまれてきました。
島の中央にあるのが、猫を祀った猫神社。猫の安全と大漁を願って、石の小さなお社が置かれています。
島を訪れる人がえさをあげるのは控えるよう、石巻市が呼びかけています。
殿さまと戦に出た猫:鹿児島・仙巌園の猫神社
鹿児島市の仙巌園(せんがんえん)の中に、猫神社があります。戦国時代の武将・島津義弘が戦に連れて行った7匹の猫のうち、帰ってきた2匹を「猫神さま」として祀った小さなお社です。
神社の公式サイトでも「全国でも珍しい、猫を祀った祠」と紹介されている場所。毎年2月22日には「愛猫長寿祈願祭」があり、お守りや参拝記念証も用意されています。仙巌園の中にあるので、お参りには入場料がかかります。
猫の日に合わせて行ける神社は、猫の日(2月22日)に行きたい神社にまとめています。
言い伝えの猫:徳島の「猫神さん」、お松大権現と王子神社
徳島には、お松という女性と愛猫の言い伝えがあり、その話にゆかりのある2社が「猫神さん」と呼ばれています。どちらも今は、合格祈願や商売繁盛の神様として親しまれています。
- お松大権現(徳島県阿南市)
庄屋の妻・お松と愛猫の言い伝えから始まった社で、この話は「日本三大妖猫伝」のひとつとして知られています。必勝祈願や受験合格のご祈祷を受け付けています。お社の招き猫を借りて家で祀り、願いがかなったら、または1年たったら、もう1体求めて2体にして返す「倍返し」の習わしがあります。
- 王子神社(徳島県徳島市)
徳島県文化の森総合公園の中にある神社です。「阿波の猫騒動」として伝わるお松と猫のお玉の話から、「猫神さん」と呼ばれています。開運・良縁・商売繁盛・合格祈願の神様として知られ、絵馬やお守りにも猫の絵柄があります。
新しい猫の神社:長崎の尾曲がり猫神社と、茨城・素鵞神社の猫のお守り
昔からの言い伝えだけでなく、今の猫好きの思いから生まれた猫の神社やお守りもあります。
- 長崎尾曲がり猫神社(長崎県長崎市)
眼鏡橋のそばにある、市民団体の「長崎ネコ学会」が2019年に建てた猫の神社です。猫と飼い主の健康長寿と幸せを願う神社で、お守り・おみくじ・絵馬があります。お守りは通販でも受けられます。お休みは不定休です。
- 素鵞神社(そがじんじゃ・茨城県小美玉市)
猫好きの神主さんが作った「瑞猫(すいびょう)の御守」があります。お守りは2,000円です。神社の説明では、猫は家の悪いものを祓い、幸福を呼ぶものとされ、幸せを運ぶ猫を「瑞猫」と呼ぶそうです。愛猫の幸せと健康を願うお守りとしても受けられ、郵送の案内もあります。
猫が好きな人たちが、自分たちで猫の神社を建てる。そんな始まり方も、なんだかいいなと思います。しっぽの曲がった尾曲がり猫が、長崎で「幸せをひっかけてくる」と親しまれている話は、猫の縁起の言い伝えの記事で。
猫は連れて行ける?うちの子は家で待っていてもらうのが気楽です
猫の神社でも、猫を連れてのお参りを受け付けているとは限りません。仙巌園は庭園の中へのペットの同伴を断っていて、キャリーに入れても入れません。猫返し神社も、ペットが苦手な参拝者もいるからと、ペットを連れての入場を断っています。
それに、知らない場所へのお出かけは、猫さんにとって大仕事ですよね。猫の神様にお願いしたいときは、うちの子には家でお昼寝していてもらい、飼い主がお参りしてお守りや絵馬を受けてくる形が、猫には気楽です。猫の神社だからといって、連れて行かなきゃ、と気負わなくていいと思っています。
※ペットの同伴の範囲やお守りの種類、お休みの日は神社によって異なり、変わることもあります。この記事は2026年10月時点の内容です。出かける前に、各神社や地元の観光案内のサイトで最新の案内をご確認ください。
連れて行かずに猫のお守りを受ける方法や、郵送で受けられる神社は、こちらの記事にまとめています。

まとめ:まずは、行ってみたい1社を選んでみる
猫の神様には、それぞれに人と猫が近くで暮らしてきた話があります。
旅先や近くに気になる1社があれば、公式サイトなどでお休みの日とお守りの種類を見てみてください。ペットのお守りがある神社を地域から探すなら、こちらの一覧もどうぞ。


参考にしたページ・資料
猫返し神社・甲斐蚕影山神社 … 阿豆佐味天神社・差出磯大嶽山神社
田代島の猫神社・丸森町の猫神さま … 石巻市・宮城県
仙巌園の猫神社と同伴の案内・京丹後の狛猫 … 仙巌園・京丹後市
徳島の猫神さん … お松大権現・イーストとくしま観光推進機構
尾曲がり猫神社 … 長崎尾曲がり猫神社・ながさき旅ネット(長崎県観光連盟)
瑞猫の御守 … 素鵞神社




