年末の買い物で、小さな鏡餅を手に取ったとき、「これ、神棚にはどう飾るんだっけ?」と手が止まったこと、ありませんか。
神棚の正月飾りは、年末に神棚を掃除して新しいお札を納めたあとに整えます。鏡餅は、三方(さんぼう・お供えをのせる白木の台)に半紙を敷き、大小のお餅を重ねて橙をのせて飾ります。
いつまで飾るかは、地域によって違います。松の内(元日から正月飾りを外すまでの期間)は1月7日まで、鏡開き(鏡餅を下げて食べる日)は1月11日とする地方が多い一方で、関西では松の内が15日まで、鏡開きが20日のところもあります。
神棚の正月飾りはいつから?年末の掃除と新しいお札を済ませてから
神棚の正月の準備は、年の暮れに古いお札を下げて神棚を掃除し、清めた神棚に新しいお札を納めてから、飾りを整える流れです。
掃除の手順や、お札・しめ縄の替え方は、こちらの記事にまとめています。

飾る日は、ひとつに決まっているわけではありません。目安にしやすいのは次の2つです。
大掃除を済ませてから:大掃除のもとになった煤払い(すすはらい)は、今も12月13日に行うところが多い行事です。その13日以降、大掃除で家がきれいになってから飾ります。
29日と31日を避ける考え方:29日は「二重苦」を思わせ、31日は一晩だけの「一夜飾り」になるので、30日までに飾るという考え方もあります。新しいお札を納めるときも、一夜飾りは避けるのが目安です。
日取りが気になるときは、お札を受けに氏神神社(住んでいる地域の神社)へ行ったときに、ひと言聞いてみるのもひとつです。
鏡餅は、三方に半紙を敷いて大小のお餅を重ねる
鏡餅は、豊作をもたらす年神さま(としがみさま・お正月に家に迎える神さま)へのお供えです。飾り方は、次の順番です。
- 三方の上に、奉書紙(ほうしょがみ・厚手の和紙)か半紙を、端が三方から垂れるように敷く
- 裏白(うらじろ・シダの葉)とゆずり葉を両側に垂らすように敷き、その上に昆布を置く
- 大小2つのお餅を重ね、いちばん上に橙(だいだい)をのせる
伊勢海老や串柿、するめなどの縁起物を添えると、さらに華やかになります。白い半紙に緑の葉、橙の色がそろうと、神棚のまわりがぐっとお正月らしくなりますね。
神棚のどこに置く?何個飾る?
鏡餅を神棚のどの位置に置くか、いくつ飾るかは、神社の案内を見ても決まった形が見当たりません。棚板に三方がのる広さがあれば神棚に、のらなければ神棚の近くや床の間など、家の中のきれいで落ち着いた場所に置く家もあります。
床の間に重ね餅を飾ったり、部屋ごとに輪〆(わじめ・わらを輪にした小さなしめ飾り)と小さな重ね餅を飾ったりする風習もあり、ひとつとは限りません。
小さな神棚・壁掛けの神棚なら
三方がのらない小さな神棚や壁掛けの神棚なら、手のひらにのるくらいの小さな鏡餅を選ぶ、半紙を敷いたきれいなお皿にのせる、という形もとれます。ふだんのお供えも、三方や折敷(おしき・縁のついた四角いお盆)にのせるのが正式ですが、お皿などの器のまま供えてもかまわないとされています。
お店で売っている、ケースに台や橙まで付いた鏡餅なら、そのまま三方やお皿にのせて供えられます。棚板からはみ出す大きさだと、ちょっと触れただけで落ちやすくなります。買いに行く前に、棚板の奥行きを測っておくと選びやすいですね。
お正月のお供えは、いつもの米・塩・水にお酒や季節のものを
神棚のお供えは、米・塩・水が基本で、できればお酒も供えます。並べるときは、米を真ん中に、向かって右に塩、左に水を置く形です。供えたものは、下げたあと「お下がり」として家族でいただきます。
お正月は、いつもより少し丁寧にお供えしたい節目。毎月1日や家のお祝いごとの日には、お酒や魚、野菜や果物なども供えて丁重におまつりする習わしがあります。元日も、その「毎月1日」のひとつです。家族そろってお参りできるといいですね。
神棚の両側に供える榊も、年末に新しい枝に替えておくと、青々とした姿で新しい年を迎えられそうです。
お酒を供えるときの置き方や、器・榊の並べ方は、飾り方の記事で詳しく紹介しています。

いつまで飾る?松の内と鏡開きは、地域で日が違う
門松やしめ飾りなどを外す日は、1月7日と定めている地方が多く、元日から7日までを「松の内」と呼びます。鏡餅を下げて食べる「鏡開き」は1月11日で、刃物で切らず、手や木槌で割るのがしきたりです。
ただ、地域によって日が変わります。たとえば、次のような例があります。
| 地域 | 松の内 | 鏡開き |
|---|---|---|
| 多くの地方 | 1月7日まで | 1月11日 |
| 関西 | 1月15日まで | 1月20日のところが多い |
| 京都 | — | 1月4日 |
住んでいる地域の日が分からないときは、氏神神社の掲示や、どんど焼きの日の案内を見るのが近道です。
割ったお餅は、お雑煮やおしるこに。鏡開きの日の、楽しみのひとつだと思っています。
外した正月飾りは、どんど焼きへ
お正月が終わったら外すのは、宝船などの縁起物が付いたお飾りです。飾りのないしめ縄は、外さずにそのまま張っておきます。
外した正月飾りは、多くの神社で「どんど焼き」(左義長・さぎちょう)という火の行事でお焚き上げ(神社で火にくべて納めること)されます。
日にちは神社ごとに違うので、近くの神社の掲示や案内を見てから持っていくと安心です。ビニールやプラスチックの袋はお焚き上げできないとして、持ち帰りをお願いしている神社もあります。袋から出して持っていくとスムーズです。
犬・猫がいる家なら、鏡餅と飾りは口の届かない所に
見慣れない物が増えるお正月の神棚まわりは、ワンコも猫さんも気になって仕方ないかもしれません。お正月を穏やかに過ごすために、次の点だけ気をつけておくと安心です。
- お餅はうちの子に分けない:のどに詰まらせないよう、鏡開きのお餅も、お雑煮やおしるこのお餅も、犬や猫には分けずにおくと安心です。
- 口の届かない高さに:神棚の近くや床の間に置く鏡餅は、犬の口が届かない高さに置いておくと、目を離したときも心配が減ります。橙や葉、昆布などの飾りも同じです。
- 落とされない大きさに:猫は高い所にも上がります。棚板に収まる大きさの鏡餅にしておくと、三方ごと落とされる心配が減ります。
- ろうそくは、点けたまま離れない:お正月に神棚のろうそくをともすなら、点けたままその場を離れないようにしてください。
もしお餅や飾りを口にして、のどに詰まったようなそぶりや、いつもと違う様子があるときは、すぐに動物病院に相談してください。
この記事は一般的な目安です。持病のある子や心配なことがある子は、かかりつけの先生に相談してください。
猫が神棚に上がってしまうときの工夫は、こちらの記事に。

初詣でうちの子のお守りを受けてきたら、神棚に一緒に置いていいかはお守りは神棚に置いていい?の記事で紹介しています。
まとめ:年末に整えて、地域の日まで飾る
神棚の正月飾りは、年末の掃除と新しいお札を済ませてから。鏡餅は三方と半紙で整え、外す日と鏡開きの日は住んでいる地域の習わしに合わせます。
まずは、住んでいる地域の松の内と鏡開きの日を、氏神神社の案内で確かめておくところから始めてみてください。
お正月が明けたら、神棚はふだんのお世話に戻ります。

神棚や縁起物の記事は、知りたいこと別の記事ガイドにまとめています。
参考にしたページ・資料
鏡餅の飾り方・松の内・鏡開き・毎月1日の丁寧なお供え … 東京都神社庁「神社Q&A 四季の祭りと行事」「神社Q&A 家庭祭祀」
飾る日の目安(29日・31日を避ける)・地域で違う松の内と鏡開き … 産泰神社(群馬県)「お正月飾りはいつから飾る?」
年末の準備の流れ … 宮城県神社庁「家庭のまつりQ&A」
一夜飾り・床の間や部屋ごとの重ね餅・器のままのお供え・外すお飾り … 北海道神社庁「神棚奉斎・まつり方」
お供えの並べ方・榊・煤払い・どんど焼き … 神社本庁「神棚」「暮らしの中の神棚」「煤払い」「お神札のまつり方」
お焚き上げに袋は持ち帰り … 小平神明宮(東京都小平市)「古神札の納め方」



