年末年始の帰省の日程が決まって、ふと手が止まる。「ペットはどうしよう。連れて行く? 預ける? それとも、お留守番?」
決め手は、何日家をあけるかと、その子が環境の変化に強いかどうか。犬の泊まりのお留守番は難しく、猫も1泊が目安なので、3泊4日のような年末年始の帰省なら、「連れて行く」「預ける」「家に来てもらう」のどれかから選ぶことになります。
お留守番できるのは短いあいだだけ|犬は6〜8時間、猫は1泊が目安
「少しくらいなら平気かな」と思っても、お留守番には目安があります。
- 犬:成犬で6〜8時間ほど。子犬はトイレのリズムがあるので、もっと短く考えます
- 猫:1泊まで。2泊以上になると、置いておいた水やごはんが傷んで、体調を崩すおそれがあります
どちらも、水・ごはん・トイレ・室温が整っていることが前提の目安です。子猫やシニアの子、持病のある子は、もう少し短めに見ておくと安心です。
迷ったときは、日数で線を引いてしまうのがいちばん決めやすいと思っています。この目安より長くなるなら、ほかの3つの方法を考えてあげたいですね。
ちなみに旅行のときの調査では、犬は連れて行く人が多く、猫は家でお留守番させる人がいちばん多いという結果が出ています。猫のほうは短い旅行も含めた数字なので、2泊以上になるなら、下の表からほかの方法も見比べてみてください。
| 方法 | 向いている子・日数 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 連れて行く | 移動や車に慣れている子 | 移動の負担・帰省先での脱走・家族のアレルギー |
| ペットホテル・動物病院 | 長い帰省にも。人やほかの動物に慣れている子 | 年末年始は早めに埋まりやすい・ワクチン証明がいることも |
| ペットシッター | 長い帰省にも(犬は訪問の回数を相談)。家から出ると落ち着かない子 | 登録している人か確かめる・鍵を預ける |
| お留守番 | 犬は6〜8時間・猫は1泊まで | 水・ごはん・トイレ・室温。泊まりの犬には向かない |
連れて行く|移動と、帰省先での過ごし方
いつもの家族と一緒にいられるのが、連れて行くいちばんの良さです。そのぶん、移動と「いつもと違う家」への準備が、少しだけ必要になります。
移動は、キャリーやクレートに慣らしておく
帰省の移動は、ふだんの通院より長くなりがちですよね。電車や飛行機で使うキャリーやクレートは、部屋に出しっぱなしにして、中でくつろげるくらいに慣らしておくと、当日の負担が軽くなります。
電車や新幹線、飛行機は、会社ごとにキャリーの大きさや料金、預け方の決まりがあります。飛行機は犬種や時期によって預かっていないこともあるので、乗る会社の案内は、予約するときに一緒に見ておくと安心です。
車なら、休憩のたびにお水を少しあげてくださいね。猫は車の中でキャリーから出さないほうが、ドアを開けたときに飛び出す心配が減ります。
帰省先では、玄関の出入りに気をつける
帰省先は、その子にとっては知らないおうちです。年始のあいさつの来客や親戚の出入りで、玄関が開く回数もふだんより増えます。
ケージや部屋をひとつ決めて、落ち着ける場所を作っておくと、ドアが開いたすきに飛び出すことを防ぎやすくなります。迷子札の電話番号が今の番号になっているかも、出発前に一度見ておいてください。

実家・義実家の家族に、先にひと言
「連れて行っていい?」は、自分の実家なら気軽に聞けても、義実家だと少し聞きづらいものです。
パートナーから聞いてもらうのも手です。動物アレルギーの家族がいないか、部屋に上げていいか、ケージを置くならどこがいいか。先に聞いておくと、当日おたがいに気をつかわずにすみます。
もうひとつ、食べ物のこと。おせちやお雑煮には、犬や猫が口にしてはいけないねぎ類が入っていることがあり、お餅はのどに詰まらせるおそれもあります。かわいさのあまり「ちょっとだけ」が起きやすいので、「人の食べ物はあげないでね」と、家族にひと言お願いしておくと心強いです。もし口にしてしまったら、元気そうに見えても様子を見ずに、動物病院に相談してください。
うちの子に会えるのを楽しみに待っていてくれる家なら、なおさらうれしい帰省になりそうです。
ペットホテル・動物病院に預ける|年末年始は早めの予約を
年末年始は、ペットホテルが混み合いやすい時期です。早めに予約が埋まったり、年末年始だけの料金を設けていたりするところもあるので、帰省の日程が決まったら、まず空きを確かめてみてください。
預けるときは、混合ワクチンの接種証明を求められることがあります。証明書がどこにあるか、期限は切れていないか。これも予約のときに一緒に確かめておけますね。
初めてのホテルなら、帰省の前に1泊だけ預けてみる方法もあります。
持病がある子やシニアの子は、かかりつけの動物病院で預かってもらえるか聞いてみるのもひとつです。ふだんの様子を知っている先生なら、こちらも心強いはずです。年末年始は休診の病院もあるので、休みのあいだも預かりをしているかを一緒に聞いておくと確実です。
ペットシッターに来てもらう|住み慣れた家のまま過ごせる
家から出ると落ち着かない子なら、シッターさんに家へ来てもらう方法があります。ごはんやトイレのお世話をしてもらいながら、住み慣れた家で過ごせるので、環境の変化が苦手な猫さんとも相性のよい方法です。
ただ、シッターさんが来るのは決まった時間だけです。訪問と訪問のあいだはお留守番になるので、ワンコなら1日に何回来てもらうかも、相談しておけるといいですね。
ペットシッターを仕事にする人は、「第一種動物取扱業」という登録が必要です。ホームページや広告には登録番号を載せ、訪問のときは登録番号の入った名札を付けることになっています。
頼む前に登録番号を確かめて、顔合わせで家の中やお世話のしかたを一緒に見ておくと、鍵を預けるときの不安も小さくなります。家族や友人にお願いするときも、ごはんの量・トイレの場所・かかりつけの病院の連絡先を紙1枚にまとめて渡しておくと、頼まれた側も迷いません。
出かける前に確かめたいこと|動物病院の休みと、玄関まわり
出発前に見ておきたいことが3つあります。動物病院の休みはどの方法でも、玄関まわりの2つは、家で過ごす子がいるときのお話です。
年末年始の動物病院の休みを調べておく
年末年始は、休診になる動物病院もあります。かかりつけが何日から何日まで休みか、休みのあいだ診てもらえる夜間・休日の病院はどこか。調べたら、メモにして預け先やシッターさんにも渡しておくと安心です。
留守のあいだ、チャイムが鳴らないように
家で過ごす子にとって、誰もいない家で鳴るチャイムは、ちょっとした事件です。ワンコは吠えて、猫さんは物かげから出てこなくなることも。帰省中は、通販の荷物を帰ってからの日時指定にしておくと、チャイムの回数そのものが減ります。
それでも、お歳暮のように送る側が日時を決める荷物や訪問営業など、予定外のチャイムはあります。玄関に「チャイムは鳴らさないでください」のサインを貼っておくと、押す前に気づいてもらいやすくなります。
書くときは、「留守にしています」のように家をあけていると分かる言葉は入れないほうが無難です(サインと防犯の考え方)。

家にペットがいることを、玄関で伝えておく
留守中に火事などが起きたとき、家の中にペットがいることは外からは分かりません。シッターさんにお願いしてお留守番をする子なら、玄関にペットのレスキューサインを貼っておくと、駆けつけた人に「中に猫が1匹います」と伝えやすくなります。
反対に、連れて行く・預けるときは、家にいないのにサインだけが残ることになります。マグネットのタイプなら、出かける日に外して、帰ったらまた貼れるかもしれません。
まとめ|まずは「何日あけるか」を決めて、空きをひとつ確かめる
帰省の日程が決まったら、預けるならペットホテルかシッターさんの空きを、連れて行くなら迷子札の番号を、まずひとつ確かめてみてください。それだけで、年末が近づいてからあわてずにすむはずです。

参考にしたページ・資料
犬・猫がお留守番できる時間 … カインズ「犬の留守番は何時間が限界?」(獣医師監修)・アイペット損害保険「猫はお留守番上手?」(獣医師監修)
旅行のとき犬・猫をどうしているか … ピーネストジャパン「愛犬と旅行に関する意識調査」・ねこのきもちWEB MAGAZINE(飼い主390人への調査)
おせち・お雑煮など食べ物の注意 … カインズ「犬が食べてはいけないもの一覧」(獣医師監修)・アニコム損保「猫に玉ねぎを与えてはいけない!」
ペットシッターの登録(第一種動物取扱業) … 環境省「第一種動物取扱業者の規制」・動物の愛護及び管理に関する法律施行規則



