家族を見送ったあと、あるいは年末を前に、「喪中の神棚はどうすればいい?」「神棚封じは、いつまで?」と迷うことがあります。「神棚封じ」と呼ばれるのは、家でのおまつりをしばらく控える形のことです。
一緒に暮らす家族が亡くなったら、神棚の扉を閉めて正面に白い半紙を貼り、忌明けまで毎日のおまつりを控えます。 半紙を外す日は五十日を目安とする案内もありますが、地域によって違います。
住んでいる地域の習わしに迷ったら、氏神さまの神社に相談できます。
家族が亡くなったら、神棚の正面に白い半紙を貼る

家族が亡くなったら、まず喪主が神棚に、亡くなったことを伝えます。そのあと神棚の扉を閉め、正面に白い半紙を貼るか屏風を立てます。これが、いわゆる「神棚封じ」です。
神棚封じのあいだは、毎日のお供えやお参りを控えます。半紙の留め方など細かなやり方は、地域によって違うことがあります。
神棚封じはいつまで?忌明けの五十日が目安、地域で違う
白い半紙を外し、ふだんのおまつりに戻すのは「忌明け」のときです。地域に習わしがあればそれに従い、特に習わしがなければ、亡くなってから五十日目までを「忌」とするのが一般的、と案内されています。五十日目は、神道の葬儀なら五十日祭を行うころです。
仏式の葬儀なら、四十九日を忌明けの目安にする形もあります。ただし、日数は地域で違い、忌中を長くても十日ほどとする地域もあります。
忌明けに神社に頼んで「忌明け祓い」を受け、区切りにする形もあります。
「忌」と「服(喪)」はどう違う?
「忌」は故人のおまつりに専念する期間、「服」は故人を悼む気持ちを表す期間です。神棚に半紙を貼って家でのおまつりを控えるのは、忌のあいだ。喪中のあいだずっと、神棚を閉じておくという案内ではありません。
続柄ごとの日数は、たとえば次のような目安です。
| 亡くなった方との続柄 | 忌の日数の目安 |
|---|---|
| 父母・夫・妻・子 | 五十日 |
| 祖父母・孫・兄弟姉妹 | 三十日 |
| 曽祖父母・ひ孫・甥・姪・おじ・おば | 十日 |
| その他の親族 | 三日 |
この日数は、亡くなった方との間柄で決まる、ご本人の忌の目安です。この目安では、配偶者側の親族は表のひとつ下の段の日数になります。
神棚に半紙を貼るかどうかは、これとは別の話で、同居していたか、葬儀を出した家かで変わります。離れて暮らす親族のときは、このあとの節でまとめています。地域や神社でも日数が違うので、ご自分の場合は氏神さまに尋ねるのが確かです。
忌中に年末・お正月を迎えたら、お札は忌明けのあとに
年末年始が忌の期間と重なるときは、新しいお札を受けるのは忌明けのあとです。忌が明けていれば、喪中の年でも新年のお札を受けられます。
年内に新しいお札が届いたら、そのまま保管しておき、忌が明けてから古いお札と取り替える、と案内する神社もあり、そうした神社では預かってもらうこともできます。
正月飾りについては、喪中の年は玄関の飾りを控え、忌が明けていれば神棚のしめ縄は取り替えて、にぎやかな飾りは付けない、という案内もあります。
忌明け後、ふだんの年の神棚の掃除やお札の替え方は、こちらにまとめています。

喪中に初詣・神社へ行ってもいい?忌が明けていれば、お参りできる
喪中でも、忌が明けていれば、初詣や神社へのお参りは差し支えない、と案内されています。お参りそのものを控えるのは、「忌」のあいだです。いつからお参りできるかは亡くなった方との間柄で変わり、父母・配偶者・子なら五十日、祖父母・兄弟姉妹なら三十日が目安です(上の表)。年末年始が忌に重なるときは、初詣は忌明けを待ってからになります。
忌明けのあと、喪中のお正月のお参りについては、ご自身の気持ち次第とする所がある一方で、喪が明けるまで(一年祭・一周忌のころまで)は鳥居をくぐらず脇から入り、拝殿の正面を避ける、という所もあります。迷うときは、訪れる神社に聞いてみてください。
忌中に神社へ行かないのは、なぜ?行ってしまったときは
忌のあいだは、亡くなった方のおまつりに専念するため、神社へのお参りも控えます。どうしても参拝しなければならないときは、先に神社でお祓いを受けてから、という案内です。
忌中は控えるものと知らずにお参りしてしまって気になるときは、氏神さまの神社にそのことを伝えて相談できます。お参りしたあとにどうするか、決まった作法があるわけではありません。
喪中でも、お守りやお札は受けていい?
お札と同じく、忌が明けていれば、喪中でもお守りを受けられます。神社のお祭りで役を務めるのも、忌明けのあとからが目安です。
厄払いなどのご祈祷も、忌明けのあとの日取りで申し込むと安心です。
お寺への初詣は?喪中こそお参りを、と案内するお寺も
お寺への初詣については、たとえば成田山新勝寺(千葉県成田市)は、喪に服しているときこそ、亡き人の供養のためにお参りを、と案内しています。ほかのお寺なら、そのお寺の案内を見ておくと迷いません。
離れて暮らす親や親族が亡くなったときは、家の神棚はいつもどおり
同居していない親族が亡くなったときは、家そのものは忌中にならないので、神棚やお札はいつもどおりおまつりします。葬儀を出した家でなければ、ふだんのおまつりでよいとされています。
ただ、亡くなった方との間柄によっては、家の神棚とは別に、ご自身は忌の日数のあいだ、神社へのお参りを控えます。
離れて暮らす親を見送り、ご自分が喪主を務めた場合のように、どちらに当たるか迷うときは、氏神さまに相談してみてください。
ペットが亡くなったときは?神社本庁などの案内には書かれていない
神棚封じは、人の家族(親族)が亡くなったときの作法として案内されているものです。神社本庁やいくつかの神社庁の案内を見ても、犬や猫などペットが亡くなったときに神棚を封じるかどうかは書かれていません。気になるときは、お札を受けている神社にひと言たずねてみてください。ペットを見送った年の喪中については、別の記事で扱っています。

まとめ:半紙を貼って、忌明けに戻す。迷ったら氏神さまに
日数は地域によって違うため、まずは氏神さまの神社に、その地域の忌明けの目安を聞いてみてください。
忌明け後、毎日のおまつりに戻るときはこちらへ。


参考にしたページ・資料
半紙を貼る・扉を閉める・忌と服・五十日・忌中の参拝とお祓い・お札は忌明けのあと … 神社本庁「服忌について」・兵庫県神社庁
仏式は四十九日・続柄ごとの日数・玄関の正月飾り・しめ縄・喪中の鳥居・本人の忌と家の忌・忌明け祓い … 北海道神社庁・兵庫県神社庁
忌中を最長十日とする地域・喪中の参拝は気持ち次第 … 宮城県神社庁・福岡県神社庁
年内に届いたお札の保管・預かり … 榛名神社(群馬県沼田市)
離れて暮らす親族のとき … 太平山三吉神社(秋田県)・竹駒神社(宮城県)
喪中のお守りやお札、お祭り・お寺の初詣 … 埼玉県神社庁・成田山新勝寺(千葉県成田市)




