12月が近づき、年賀状のことを考えはじめたとき。「今年は、いつものように『あけましておめでとう』と書く気持ちになれない」と感じる方もいると思います。
今年、大切なうちの子を見送った。人が亡くなったときのように、喪中はがきを出したほうがいいのだろうか。それとも、いつも通り年賀状を出すべきなのか。
先に結論をいうと、ペットが亡くなった場合、一般的な年賀欠礼のマナーとして喪中はがきを出す決まりはありません。 いつも通り年賀状を出してもかまいませんし、今は新年を祝う気持ちになれないなら、年賀状を控えるという選択もできます。
大切なのは、「ペットも家族だから喪中にしなければ」と形式に合わせることではなく、今の自分の気持ちと、はがきを送る相手との関係に合う方法を選ぶことです。この記事では、ペットを見送った年の喪中はがきや寒中見舞いについて、書き方や送る時期、相手による使い分けまで整理します。
ペットが亡くなっても、一般的な喪中はがきは必須ではありません
喪中はがきは、近親者を亡くしたときに「新年のご挨拶を控えます」と事前に知らせる年賀欠礼の挨拶状です。ペットを亡くした場合に喪中はがきを出すことは、一般的な慣習として広く定まっているわけではありません。
そのため、「出さなかったら、あの子を家族として大切にしていないことになるのかな」と考える必要はありません。反対に、「家族だったのだから、今年は新年を祝う気持ちになれない」と感じることも、とても自然なことだと思います。
社会的な慣習としての「喪中」と、その子を失った自分自身の悲しみは、別に考えていいものです。喪中はがきを出す・出さないで、その子への想いの深さが決まるわけではありません。
まずはそこを気にせず、自分が無理なく新しい年を迎えられる方法を選んでみてください。
年賀状・喪中はがき・寒中見舞いは、相手との関係で選んで大丈夫
迷いやすいのは、「誰に何を送ればいいのか」というところです。すべての相手に同じはがきを送る必要はありません。
その子をよく知っている人と、仕事だけのお付き合いの人では、受け止め方も違います。だからこそ、相手との関係に合わせて送り分けるほうが自然です。
その子を知っている親しい人には、喪中はがきという形も
友人や親戚など、その子のことをよく知っていて、かわいがってくれていた相手なら、ペットを見送ったことを伝える喪中はがきを送る方法もあります。
「今年はこの子を見送ったため、新年のご挨拶を控えます」という気持ちを伝えるものなので、形式を人の喪中はがきに完全に合わせる必要はありません。相手もその子を知っているからこそ、一枚のはがきが、その子を一緒に思い出すきっかけになることもあります。
仕事関係などには、いつも通り年賀状を出してもかまいません
仕事関係や、その子のことを知らない知人にまで、ペットのことを知らせる必要はありません。普段通り年賀状を送ることに抵抗がなければ、そのまま送って大丈夫です。
一方で、自分自身がまだ「おめでとう」と書く気持ちになれないなら、無理に年賀状を出す必要もありません。後から寒中見舞いでご挨拶する方法もあります。
相手によって年賀状・喪中はがき・寒中見舞いを送り分けても問題ありません。 「今年は全部こうする」と決めなくてもいいのです。
年賀状を書く気持ちになれないなら、寒中見舞いという選択肢も
ペット用の喪中はがきを出すほどではない。でも、いつものように年賀状を書く気持ちにもなれない。そんなときに使いやすいのが、寒中見舞いです。
寒中見舞いは、松の内が明けてから立春ごろまでに送る、冬の挨拶状です。松の内は地域によって異なり、関東では1月7日まで、関西などでは1月15日までとする地域もあります。
年末のうちに喪中はがきを準備する必要がないため、少し時間を置いてから「昨年、大切な家族を見送り、年始のご挨拶を控えました」と伝えることができます。
特に、年末近くにその子を見送った場合は、気持ちの整理もつかないまま急いで喪中はがきを作る必要はありません。まずはその子との時間を大切にして、新しい年になってから寒中見舞いでご挨拶する。そんな方法でも十分です。
喪中はがき・寒中見舞いを書くときの文例と注意点
ペットのことを書く場合は、人の喪中はがきの形式にすべて合わせる必要はありません。その子の名前と、新年の挨拶を控えることが自然に伝われば十分です。
喪中はがきとして出す場合
年内に知らせる場合は、相手が年賀状を準備する前の11月中旬から12月上旬ごろまでを目安に届くようにすると伝わりやすいでしょう。
たとえば、
本年○月、長年家族として一緒に過ごしてきた愛犬○○が旅立ちました。誠に勝手ながら、新年のご挨拶を控えさせていただきます
という形です。
ペットの場合、人の喪中はがきのように続柄や享年まで書く必要はありません。むしろ、普段その子を知っている相手なら、名前を書いたほうが「あの子のことだな」と伝わりやすくなります。
寒中見舞いとして出す場合
寒中見舞いは、相手の地域の松の内が明けてから、立春ごろまでに届くように送ります。
たとえば、
寒中お見舞い申し上げます。昨年、長年家族として過ごした○○を見送り、年始のご挨拶を控えさせていただきました
といった形なら、冬のご挨拶と一緒に自然に伝えられます。
立春を過ぎてしまった場合は、寒中見舞いではなく「余寒見舞い」という形もあります。
写真を入れるかどうかも、相手に合わせて
その子をかわいがってくれた親しい相手なら、写真を一枚添えるのもよいと思います。ただ、仕事関係など、その子を知らない方まで同じデザインにする必要はありません。
写真入りのはがきは親しい人だけに送り、それ以外の方には通常の年賀状やシンプルな寒中見舞いを送る。そんなふうに分けると、お互いに無理のない形になります。
形式を揃えることより、「誰に伝えるのか」を考えることのほうが大切です。
まとめ:喪中にするかどうかより、自分に無理のない新年の迎え方を
ペットを亡くした年に、喪中はがきを出さなければならないという決まりはありません。いつも通り年賀状を出す、親しい人にはその子のことを書いた喪中はがきを送る、年末は何もせず少し落ち着いてから寒中見舞いを送る。どれを選んでもかまいません。
そして、相手によって送り分けても大丈夫です。大切な子を見送ったばかりの年末にまで、「マナーとして何が正しいのだろう」と自分を追い込む必要はないと思います。
あの子を大切に想う気持ちは、どのはがきを選ぶかで変わるものではありません。 自分の気持ちと、伝える相手との関係を考えながら、無理のない形で新しい年を迎えてください。
言葉や伝え方に迷う場面は、ほかにも出てくるかもしれません。お悔やみ・報告・お礼・あの子への言葉——場面ごとの記事を「ペットが亡くなったときの言葉と伝え方」にまとめています。よければ、必要なときに開いてみてください。


