「新しい家に移ったら、神棚を置いてみようかな」。そう思って調べ始めると、一社・三社、壁掛け、お札立て……と神棚の種類は思ったより多く、いつ・どこで買えばいいのかでも迷います。
神棚は、神社で受けたお札(お神札)をお祀りする棚のことです。はじめてなら、お札が入る大きさと置く場所の広さで種類を選び、お札・お供えの器・榊をそろえられれば十分です。
買う日に全国で決まった日取りはなく、分からないことは氏神さま(住まいの地域の神社)に相談するのが近道です。
神棚の種類は、扉の数と置き方で選ぶ
お店で選ぶお宮の形の入れ物は、厳密には「宮形(みやがた)」といいますが、ここではまとめて神棚と呼びます。
| 種類 | どんな形 | 向いている家 |
|---|---|---|
| 三社造り | 扉が3つ。お札を3か所に分けて納める | 神棚を置く幅が取れる |
| 一社造り | 扉が1つ。お札を重ねて納める | 神棚を置く幅を取りにくい |
| 壁掛け・小型の神棚 | 壁に掛けられる小さなもの、部屋になじむシンプルな形 | マンション・一人暮らし |
| お札立て | 卓上でお札を立ててお祀りする | 棚を置く場所がない |
一社造りと三社造りに良し悪しはないので、置く場所とお札の数に合わせて選べます。
大きさは「お札が入るか」と「置く場所の寸法」で
まず確かめたいのは、お札がきちんと入る大きさかどうかです。たとえば伊勢神宮のお札(神宮大麻)は縦24.5cm・25cm・30.5cmの3種類で、大きさで神さまのお力が変わることはない、と案内されています。
置く場所の幅・高さ・奥行きも測っておいてください。神棚の前には米・塩・水をお供えするので、そのぶんの奥行きも要ります。
自分の家でやるなら、先にお札を受けて、大きさを測ってから神棚を選ぶと思います。「せっかく買ったのに、お札が入らなかった」を避けやすいからです。
マンション・賃貸なら、壁掛けや小さな神棚も
マンションや一人暮らしの家には、場所をとらない壁掛け式の小さな神棚もあります。壁に貼って使う薄型のものや、棚に置くだけのお札立てなら、壁に大きな穴をあけずに置けます。部屋になじむ形や色の選び方は、おしゃれな神棚の選び方にまとめています。
神棚の有無にとらわれすぎず、できる形でお祀りすることが大切とされています。棚を置かずに、本棚の上などにお札だけをお祀りする方法もあります。

神棚はいつ・どこで買う?
買う日に、全国共通の決まりはない
大安・仏滅などの六曜(ろくよう)は、暦の上の言い伝えのようなものです。気にするかどうかは、家それぞれです。一方で、神棚の設置は吉日を選んで、と案内する神社もあります。
日取りが気になるなら、お札を受ける神社に聞いてみてください。
始めるタイミングでいうと、引っ越しはちょうどいい区切りです。引っ越したら、お札は新しい住まいの氏神さまから受けます。
氏神さまのお札なら、暮れやお正月以外でも一年中受けられます。
どこで買う?神具店・ホームセンター・神社・通販
- 神具店
大小さまざまな神棚から選べます
- ホームセンター
神棚を置いている店もあります
- 神社
神棚をいただける神社もあります。簡易的な神棚は、まず氏神神社に聞いてみるのもひとつです
- ネット通販
種類を見比べやすく、買う前にお札が入る内側の寸法を確かめておくと安心です
最初にそろえる物は、お札・お供えの器・榊
- お札(伊勢神宮のお札と、氏神さまのお札)
- 神棚(宮形)、またはお札立て
- お供えの器:米と塩を盛る小皿2枚、水を入れる器
- 榊と、榊立て1対
- 用意できれば:お酒を入れる瓶子(へいし)1対、しめ縄、器をのせる台
お札は、氏神さまで受けられる
神棚の主役はお札です。伊勢神宮のお札と氏神さまのお札は、氏神神社で受けられます。氏神さまは家にいちばん近い神社であることが多く、分からなければ近くの神社で尋ねると教えてもらえます。
お札は神社で受けるものです。正月用品の売り場などに並ぶ「お札のようなもの」は、神社のお札とは別物です。神棚をセットで買ったときも、お札は神社で受けてから納めます。
お供えの器は、神具店のものでなくてもいい
お供えの基本は米・塩・水で、できればお酒も。器は、お供えにふさわしいきれいな物であれば、どこで買った物でも大丈夫です。ネット通販なら、神棚と一緒にお供えの器もまとめて選べます。
白い小皿を、神棚用に新しくおろして使う。そんな始め方もできます。ふだん使いの器ではなく新しいものを、と案内する神社もあります。
榊は生花店で。しめ縄は用意できれば
榊は神棚の両側にお供えする常緑樹で、生花店などで買えます。
しめ縄は、家庭の神棚にも、できれば用意するとよい物です。最初はお札とお供えだけにして、しめ縄はあとから足す形もとれます。
神棚を置いてからの流れ:場所・お祓い・お札を納める
- 置く場所を決めて、神棚を取り付ける
- 神職にお祓いをしてもらう(頼む場合。神社に持って行くなら、取り付ける前に)
- お札の薄紙を外して、神棚に納める
- 米・塩・水をお供えして、お参りする
場所は、明るく清らかで目線より高い所
神棚は、明るく清らかで、目線より高いところに置けるといいですね。ドアの上のように、人が下を出入りする場所は避けるのが目安です。
向きは、お札の正面が南か東を向くのが一般的とされています。ただ、間取りで難しければ、方角より、清らかでお参りしやすいことを優先して選べます。

設置のお祓いは、頼めばより丁寧
初めて神棚を設けるときは、神職にお祓いをしてもらうとよく、神棚と置く場所を一緒にお祓いしてもらうと、より丁寧です。
頼み方には、神棚を神社に持って行く方法と、神職に家へ来てもらう方法があります。家に来てもらうと、置く場所も一緒にお祓いしてもらえます。頼むかどうか、どちらの方法にするかも、氏神神社に相談してみてください。
新築や引っ越しで神棚を設けるなら、家に来てもらうときに、入居前に家を清める「家祓(やはらい)」と合わせて神棚のお祓いを頼む形もあります。
お札を納めたら、お供えとお参りを
お札を包んでいる薄紙は汚れよけなので、神棚に納める直前に外します。三社造りなら中央から、一社造りなら重ねて納めるなど、並べ方には順番があります。

お参りは、神社と同じ二拝二拍手一拝(深いお辞儀を2回、拍手を2回、最後にお辞儀を1回)が基本です。初めてなら、日々の暮らしに感謝して、お札に手を合わせるところから始めてみてください。
神棚でやってはいけないことは?全国共通の一覧はなく、避けたいことがいくつか
「神棚のタブー」と聞くと身構えてしまいますが、神社が出している「これをしたらだめ」の全国共通の一覧は見当たりません。神棚のまつり方に絶対的な決まりごとはなく、毎日心をこめてお祀りすることが大切、とされています。
そのうえで、よく挙げられる「避けたいこと」は、次のようなものです。
- 場所:ドアの上など人が下をよく通る所や、上の階がトイレ・浴室になる所
- お札:画びょうで刺したり、床にじかに置いたりしない
- お供え:ねぎやにんにくなど、においの強い物は控える、という案内も
- 古い神棚:一般のごみに出さず、神社に相談する(神棚の処分と引っ越し)
ここに無いことで迷ったときは、お札を受けた神社や氏神さまに聞いてみてください。
犬・猫がいる家なら、足場とお供えの高さを先に考える
新しい高い棚ができると、猫さんにとっても気になる場所になりそうです。置き場所を決めるとき、犬・猫の目線でも一度見ておくと、あとで困りにくくなります。
- 足場:猫は高い所や上下の移動を好みます。神棚の近くにタンスやキャットタワーがあると、そこが上がる足場になることも。家具から離れた壁を選んでおくと、上がる道を減らせます
- お供え:米・塩・水や榊立ての水に、犬・猫の口が届かないかも見ておいてくださいね。卓上のお札立てなど、犬の口が届く高さに置くなら、なおさらです。口にして様子がおかしいときは、動物病院に相談してください
- 明かり:灯明(神棚の明かり)を置くなら、火を使わない電気式もあります。コードはかじられないように這わせ方を工夫してみてください。ろうそくは、猫が倒して火が出た例もあるので、点けたままその場を離れないようにしてくださいね
それでも上がってしまうときの対策は、猫が神棚に上がるときの記事にまとめています。
うちの子のお守りも神棚に、と考えている方は、お守りとお札の扱いの違いから見てみてください。

まとめ:まずはお札を受ける神社を決めるところから
朝にお水を替えて手を合わせる。そんな時間が暮らしに加わるのも、いいものですね。まずは近くの神社で、お札を受けられるか聞いてみてください。
神棚や縁起物の記事は、知りたいこと別の記事ガイドにもまとめています。
参考にしたページ・資料
お札の大きさ・お参りの始め方・お札だけ祀る形 … 伊勢神宮「神宮大麻と神宮暦」「お神札(神宮大麻)の祀り方」・東京都神社庁「お神札・神棚について」
六曜・向き・お札を受ける時期 … 東京都神社庁「神社Q&A」・北海道神社庁「神棚奉斎・まつり方」
置き場所・できる形で祀る・お供えの器・しめ縄・設置のお祓い・家祓 … 神社本庁「神棚」「よくあるご質問」「暮らしの中の神棚」
吉日・買える所・お祓いの頼み方・器は新しいものを … 鶴ヶ峰熊野神社(岩手県)・産泰神社(群馬県)
お札のようなものに注意・避けたいこと … 宮城県神社庁「家庭のまつりQ&A」・埼玉県神社庁「私たちの生活と神社」ほか各地の神社庁
猫は高い所が好き・ろうそくの火事 … 環境省「宣誓!無責任飼い主0(ゼロ)宣言!!」・豊岡市消防本部「ペットが原因の火災」「神棚や仏壇の火災」



