ペットを亡くして初めてのお盆——初盆をどう迎えればいいか、悩んでいるあなたへ

暦の上でお盆の季節が近づいてきたとき、ふと気づくことがあります。「今年は、あの子が亡くなってから最初のお盆だ」と。

何かしてあげなければいけないのかな。でも何をすればいいのかわからない。そもそもペットにも、お盆はあるの?

そんなふうに迷いながらこの記事を開いた方のために書きます。ペットを亡くして初めて迎えるお盆(初盆)について、かたく考えすぎなくて大丈夫だということを、成り立ちからやさしく整理していきます。

目次

お盆という時間が生まれた話

お盆は、ある一人の息子の祈りから始まったとされています。

お釈迦様の弟子に、目連(もくれん)という人物がいました。神通力を持つ彼が、ある日亡くなった母の様子を見てみると——母は餓鬼道という苦しい場所で、飢えに苦しんでいた。目連は食事を届けようとしますが、食べ物は炎に変わってしまい、母の口には届かない。

どうすれば母を救えるのか、とお釈迦様に相談すると、こんな答えが返ってきます。「修行を終えた僧侶たちに、感謝を込めて食事をふるまいなさい。そうすれば、その功徳が母に届く」。

7月15日、目連はその言葉の通りにした。すると母は餓鬼道から救われた。その喜びに目連が踊ったのが、盆踊りの起源ともいわれています。

これが「盂蘭盆会(うらぼんえ)」の始まりです。推古天皇の時代(607年)に初めて宮中で行われたとされ、そこから長い年月をかけて、日本中に広まっていきました。

ただし、「先祖の霊が家に帰ってくる」という感覚は、仏教よりさらに古い。縄文・弥生の時代から続く日本の祖霊信仰——亡くなったご先祖様は「祖霊」となり、お盆や正月など決まった時期に里へ帰ってくる、という考え方が、仏教の行事と溶け合う形で今のお盆の姿になっていったようです。

だから「帰ってくる」という感覚は、特定の宗教の話というより、人が大切な人を思い続ける気持ちそのものに根ざしているのだと思います。

初盆とは——ペットにとっての意味

初盆(はつぼん)とは、亡くなってから初めて迎えるお盆のことです。「新盆(にいぼん)」とも呼ばれます。

人の場合は四十九日が終わったあとに初盆を迎えるという慣習のある地域がありますが、ペット供養においては、こういった形式的な決まりはほとんどありません。

それでも「あの子が亡くなって初めての夏」という季節の区切りは、多くの方にとって特別に感じられることがあります。「お盆だから帰ってきているかもしれない」という感覚は、人に対しても、その子に対しても、同じように自然に湧いてくるものではないでしょうか。

お盆という時期についてより詳しく知りたい方は、「お盆のペット供養とは?」の記事もあわせてどうぞ。

13日から16日、その子のそばで

一般的なお盆は、8月13日から16日の4日間とされています(地域によっては7月の場合もあります)。ペット供養においても、この流れを参考に過ごす方は多いようです。

特別な準備は必要ありませんが、こんな流れを意識するだけで、気持ちが整うことがあります。

13日(迎え盆) その子が帰ってくる日、ともいわれています。のそばを少し整えて、花を飾る。夕方に玄関先でろうそくを灯したり、迎え火を焚いたりする慣習がある地域もありますが、できる形でかまいません。「おかえり」と声をかけるだけでも、十分な迎え方です。

14日・15日(中日) お盆の中心の時間です。生前好きだったおやつやおもちゃを骨壷のそばに置いて、いつもより少し長く話しかけてみる。その子のことをゆっくり思い出せる時間にできたら。

16日(送り盆) その子がまたあちらへ帰っていく日。「また来年来てね」「いつでも見ていてね」と伝えながら、静かにする。感謝の気持ちを一言添えるだけで、その時間は供養になります。

こういった流れはあくまで目安です。「やらなければ」ではなく、気持ちを向ける時間を作るための、ひとつの形として、無理のない範囲で取り入れてみてください。

精霊馬——ペットのために作ってもいい?

お盆に「精霊馬」という飾りを作るかどうか、迷う方もいます。ナスとキュウリを使う伝統的な飾りで、先祖の霊の乗り物とされるものです。

ペット向けの決まりはなく、「作りたい」という気持ちがあれば作っていいし、そうでなければ必要ありません。

精霊馬の意味や、ペット供養での考え方については「ペットに精霊馬は必要?お盆の迎え方とペット供養での考え方」の記事に詳しく書いています。

お寺での法要・供養〜みんなで祈る、という選択も

自宅での供養とは別に、お寺や供養施設で行われる動物供養の法要に参加する、という形もあります。同じように大切な子を亡くした方たちと、同じ時間に祈りを合わせるのは、また少し違う意味のある時間になることがあるようです。

回向院(東京・両国) 江戸時代から続く歴史ある寺院で、動物供養の場としても知られています。境内には馬頭観音や犬猫供養塔、猫塚など、さまざまな動物の慰霊碑があります。お彼岸と施餓鬼会の時期には諸動物大法要が行われており、通常も毎日16時からの夕勤行の中で動物供養が行われています。 → 回向院 – 動物供養のご案内

平和会ペットメモリアルパーク 動物慰霊祭大法要(増上寺) 1948年創業の平和会ペットメモリアルパークが、毎年6月の第1日曜日に大本山・増上寺の大殿で開催している法要です。この日は日本記念日協会に「動物供養の日」として公式認定されており、同社が長年にわたり大切にしてきた供養の場です。雅楽の演奏とともに法要が始まり、僧侶の読経、法話、お一人ずつのお焼香という流れで、静かに手を合わせる時間が持てます。お盆より少し前の時期になりますが、「年に一度、改めてその子のために祈りたい」と思う方にとって、心に残る時間になるはずです。平和会の霊園をご利用でない方も参加できます。 → 平和会 – 動物慰霊祭大法要のご案内

この夏を、その子のそばで

初盆に正しい迎え方はありません。

花を飾った。話しかけた。好きだったものを供えた。それだけで、もう十分です。

ただ——この夏、少し立ち止まってその子のことを思う時間を持てたとしたら、それがあなたなりの初盆の形になります。帰ってきているかどうかは誰にもわかりません。でも、迎えようとする気持ちは本物です。

その気持ちが届かないはずはない、と思います。

骨壷のそばに花を置きながら、「おかえり」と言ってみてください。

ペット供養|おしゃれでかわいい、しっぽの骨壺

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