お盆の時期になると、ナスとキュウリで作った動物の飾りを目にします。精霊馬、と呼ばれるものです。ペットを亡くしたあと、初めてこの季節を迎えた方の中には、「うちの子にも精霊馬を作ってあげたほうがいいのかな」と思った方もいるかもしれません。
この記事では、精霊馬がどういうものかをペット供養の文脈で整理し、「作るべきかどうか」で迷っている方の参考になるよう書きます。
精霊馬ってなに?
精霊馬(しょうりょうま)は、お盆の期間にご先祖様の霊が行き来するときの「乗り物」として飾る、日本の伝統的な風習です。
キュウリを馬に、ナスを牛に見立てて作ります。馬は足が速く、あの世から早く帰ってきてほしいという願いを込めて。牛はゆっくり歩くので、お盆が終わったあとにゆっくり帰ってほしいという気持ちを込めて、それぞれ飾るとされています。
割り箸や楊枝を足として刺し、玄関やお仏壇の前に置く形が一般的です。地域や家庭によって風習はさまざまで、精霊馬を飾らない地域もあります。主に東日本で見られる文化のようです。

ペットに精霊馬は必要ですか?
結論からいうと、決まりはありません。
精霊馬はもともと「人のご先祖様」のための風習です。ペット向けの作法として定まったものはなく、「作らなければいけない」「作ってはいけない」どちらのルールもありません。
ペット供養の形はとても自由です。決まった儀式よりも、「その子のためにしてあげたい」という気持ちを大切にすること——そちらのほうが、ずっと意味のある供養になるのではないかと思います。
作りたいと思ったら、作ってみましょう
「精霊馬を作ってあげたい」と感じるなら、作っていいと思います。
愛する子のために何かしてあげたい。この季節、少しでも迎えてあげたい。そういう気持ちは、何よりも自然なことです。
ナスとキュウリで作ってもいいし、その子が好きだった食べ物を飾ってもいいかもしれません。お盆の時期に合わせて骨壷のそばに花を飾ったり、好きだったおもちゃを添えたりする方もいます。「正しいやり方」よりも、「その子へ気持ちが届く形」を選べばいいだけです。
お盆に骨壷のそばでできること
人の法要と違って、ペット供養には「必ずこうしなければ」という形式はほとんどありません。お盆の時期をどう過ごすかも、家族それぞれで自由に決めていい。
骨壷のそばに季節の花を飾る。夏らしい食べ物を供える。いつもより少し長く話しかける時間を作る。
シンプルなことで十分です。その子のそばにいる、それがお盆の迎え方としていちばん自然な形かもしれません。
初めてのお盆を迎える方や、「初盆に何をすればいいか」と感じている方は、初盆の迎え方についての記事も読んでみてください。
ナスとキュウリで作る精霊馬は、お盆が終わると土に還すか処分するのが一般的です。毎年それを繰り返してもいいのですが、「もう少し丁寧に飾りたい」と感じる方には、こんなアイテムもあります。
inori orchestraのやさしい精霊馬セットは、陶土で作られた手のひらサイズの馬と牛のセット。白とグレーのマットな仕上がりで、仏壇がなくてもリビングや窓辺に自然に置けるデザインです。小さな木の皿も付いていて、花びらや季節のものをそっと添えられる。
本当に気に入ったものを、毎年のお盆に取り出して飾る、そういう使い方が似合うアイテムだと思います。



