火葬のあとに受け取った骨壷カバーを見て、「もう少し、うちの子らしいものにしてあげたい」と思うことがあります。好きだった色や、よく似合っていた色、その子を思い出す柄や手触り。そうしたものを選びながら、自分の手でカバーを作るのも、ひとつの供養の形です。
布を選び、少しずつ形にしていく時間は、その子のことを思いながら過ごす時間にもなります。ただ、骨壷カバーは見た目以上に立体的な形をしているため、実際に作ってみると「思っていたより難しい」と感じることもあります。この記事では、手作りするときに知っておきたいサイズの測り方や型紙の考え方、無理なく進めるためのポイントを紹介します。
まずは、どの状態の骨壷にかぶせるかを決める
最初に決めておきたいのは、カバーを何に合わせて作るかです。骨壷そのものに直接かぶせるのか、現在使っている覆袋の上からかぶせるのかによって、必要な大きさは変わります。
採寸するときは、骨壷のサイズ表記だけで判断せず、実際に使う状態で高さや横幅を確認しておくと安心です。骨壷によっては蓋の部分が少し張り出していることもあるため、底の直径だけではなく、実際にかぶせる状態でいちばん幅のある部分も確認しておくと、完成してから入らないという失敗を減らせます。
すでに骨壷に合っている覆袋がある場合は、その大きさや形を参考にする方法もあります。細かな寸法をそのまま写すというより、「どのくらい余裕があるか」「どこで形が切り替わっているか」を見るだけでも、型紙を考えるヒントになります。
型紙は「底」と「側面」に分けて考える
骨壷カバーは、最初から複雑な立体として考えるよりも、「底」と「側面」に分けて考えると形をイメージしやすくなります。覆袋のような形にしたい場合は、六角形などの底面を作り、その周囲に側面をつなげていく方法があります。
ただし、骨壷の形や大きさはすべて同じではありません。そのため、決まった型紙の寸法をそのまま使うよりも、実物に合わせながら調整していくほうが安心です。
いきなりお気に入りの布を切らず、まずは紙や不要な布で大まかな形を作り、一度骨壷に合わせてみるのがおすすめです。型紙は「正しい寸法を一度で決めるもの」ではなく、実物に合わせながら整えていくものと考えると、手作りしやすくなります。
手作りなら、その子らしい色や素材を選べる
手作りのよさは、好きな色や素材を自由に選べることです。いつも似合っていた色、毛色を思い出すやさしい色、家の中に置いたときになじむ布など、「この感じ、あの子らしいな」と思えるものを選べます。
特別な生地を用意しなくても構いません。綿や麻、フェルトなど、身近で扱いやすい素材から選ぶこともできます。裁縫に慣れていない場合は、厚すぎたり滑りやすかったりする生地よりも、形を整えやすく針を通しやすいもののほうが作業しやすいでしょう。
どんな色にしようか考えたり、布を手に取りながらあの子を思い出したりする時間も、手作りならではのものです。完成したものだけではなく、そこまでの時間にも、自分で作るよさがあります。
骨壷カバーは、思っているより難しいこともある
一方で、骨壷カバーは平らな布を縫うだけではなく、底と側面を合わせながら立体的な形にしていくものです。少し寸法がずれるだけでも、かぶせたときに布が余ったり、反対に窮屈になったりすることがあります。
- 底の角を合わせるのが難しい
- 左右のバランスを整えにくい
- 上部をきれいにまとめにくい
特に裁縫にあまり慣れていない場合は、こうしたところで難しさを感じやすくなります。「大切なあの子のために、きれいなものを作ってあげたい」と思って始めたからこそ、思うような形にならないと、少し悲しくなったり、申し訳ないような気持ちになったりすることもあるかもしれません。
けれど、うまく仕上がらなかったからといって、その子を思って作り始めた気持ちまでなくなるわけではありません。何度もやり直すことがつらくなったり、作る時間そのものが負担になってきたりしたら、無理に完成させなくても大丈夫です。
手作りすることよりも、その子を思う時間を無理のない形で持てることのほうが大切です。裁縫に慣れている方はじっくり作り、初めての方はまず簡単な形で試してみる。途中で難しいと感じたら、いったん手を止める。そんな進め方でも十分だと思います。
作る時間がなかったり、思うように仕上がらず疲れてしまったりしたときは、
無理に手を動かし続けなくても大丈夫です。
今の覆袋の上からそのままかぶせて使えるカバーなど、手軽に取り入れられる方法もあります。

まとめ:うちの子らしいカバーを、自分のペースで
ペットの骨壷カバーを手作りするときは、まず実際に使う状態の骨壷を測り、紙などで大まかな形を確認してから布へ進むと失敗を減らしやすくなります。細かな作り方を覚えることよりも、実物に合わせながら少しずつ調整していくことが大切です。
手作りには、その子らしい色や素材を選び、自分の手で形にできるよさがあります。その一方で、小さな立体物をきれいに仕上げるには、思っている以上に手間や慣れが必要になることもあります。
きれいに完成させることだけを目標にせず、作る時間まで含めて穏やかに過ごせる範囲で。「あの子には、どんな色が似合うかな」と考える時間もまた、これからの日々の中で、その子をそばに感じるひとときになるのだと思います。


