秋になると、SNSで着物や袴を着たワンコや猫さんの写真をよく見かけます。「ペットの七五三って、本当にあるの?」「うちの子もやってみたいけど、何をすればいいんだろう」。そう思って検索した方も多いのではないでしょうか。
犬や猫の七五三は、人の七五三にならって、うちの子の成長と健康を家族で喜ぶ祝い方のこと。全国共通の年齢・日程・作法が決まっているわけではなく、神社や寺院でご祈祷を受ける、記念撮影をする、おうちでごちそうを用意する、といったさまざまな形があります。
この記事では、ペットの七五三はいつ・どこで・何をするのかを、「ここまでやらなきゃ」ではなく「うちならこれくらい」と決められるように整理していきます。
ペットの七五三とは、うちの子の成長を喜ぶ日
そもそも七五三は、子どもが3歳・5歳・7歳の節目に、無事に育ったことを感謝して、これからの健やかな成長を願う行事です。古くから行われてきた「髪置」「袴着」「帯解」という習わしに由来し、11月15日に祝う今のような形が広まったのは江戸時代といわれています。
これを犬や猫にも、と広がったのがペットの七五三。ペットが「家族の一員」として迎えられるようになり、誕生日やお迎え記念日を祝う家庭が増えるなかで、人の七五三にならった祝い方として、ペットのご祈祷を行う神社や寺院なども見られるようになりました。
大切なのは、「うちの子が今日も元気でいてくれて、ありがとう」という気持ち。形式より、その気持ちを家族で確かめる日だと考えると、気楽に向き合えそうです。
いつ祝う?11月15日にこだわらなくていい
人の七五三に合わせて、11月15日前後に祝うことがあります。ただし、ペットの七五三に共通の日程はありません。七五三向けのご祈祷や撮影プランは秋の時期に案内されることが多いので、この頃に神社や写真スタジオを調べると見つけやすいはずです。
ただ、11月15日ぴったりである必要はありません。お天気のいい週末、家族の予定が合う日、うちの子の体調がいい日。そのあたりを優先して選んで大丈夫だと思います。人の七五三で境内がにぎわう時期を外して、落ち着いた日にお参りするという選び方もあります。お正月も同じで、三が日を外したペットの初詣という考え方があります。
もうひとつ、11月は旧暦の10月、つまり「神無月」にあたることが多い時期です。たとえば2026年なら、旧暦の10月はおよそ11月9日から12月8日ごろで、11月15日もその中に入ります。「神さまが出雲に出かけて留守の月に、お参りして意味があるのかな」と迷う方もいます。
東京都神社庁は、神無月の語源には諸説あり、この時期も全国で秋祭りが盛んに行われていて「神さまは、常に神社においでになるのです」と案内しています。神無月だからと、うちの子のお参りを見送る必要はなさそうです。
年齢は3歳・5歳・7歳?それとも毎年?
3歳・5歳・7歳のときにやるの?
うちの子はもう8歳、遅すぎる?
そう迷う方もいるかもしれません。人の七五三は伝統的に3歳・5歳・7歳の節目に行われますが、ペットの七五三には全国共通の年齢の決まりはありません。
3歳・5歳・7歳を節目にしてもよいですし、毎年の秋を「今年も一緒に迎えられた日」として祝ってもよいでしょう。1歳になって初めての秋に祝う、というのもひとつ。神社や寺院でご祈祷を受ける場合は、対象年齢が決められていないか、申し込みのときに年齢を伝える必要があるかを事前に確認しておくと安心です。
「うちの子は今年で何歳だから」と縛られるより、「今年も一緒に秋を迎えられた」を祝う日にすると、続けやすいのではないでしょうか。
どこで祝う?神社・寺院、写真スタジオ、おうち
ペットの七五三の祝い方は、大きく分けて3つ。神社や寺院でご祈祷を受ける、写真スタジオで記念撮影をする、おうちでお祝いする、のどれか(または組み合わせ)です。
まずはざっくり比べてみます。
| 祝い方 | 場所・雰囲気 | 費用感の目安 | こんな家庭に |
|---|---|---|---|
| 神社・寺院でご祈祷 | ペットのご祈祷を受け付けている所。予約制の所も | 神社は初穂料、寺院は祈祷料など。金額はそれぞれ異なる | 健康祈願をきちんとしたい |
| 写真スタジオで撮影 | ペット撮影ができるスタジオ。衣装レンタルがある所も | プランにより幅がある | 着物姿を形に残したい |
| おうちでお祝い | 自宅。飾りつけやごちそう、写真撮影 | 数百円〜 | 知らない場所や移動が苦手な子、遠出が難しい子 |
どれがいいと決まっているわけではありません。神社が近くになければおうちで、外出が苦手な子ならおうちで、というように、うちの子の性格と暮らしに合わせて選べばよさそうです。
神社・寺院でご祈祷を受ける
ペットのご祈祷を受け付けている神社や寺院は、全国にいくつかあります。秋にペットの七五三のご祈祷を用意している所もあり、指定された場所で、健康や長寿のご祈祷を受ける形です。ご祈祷後の授与品は寺社によって異なります。ペット用のお守りや記念品が用意されていることもあるので、こちらも事前に確認しておきましょう。
たとえば神奈川県の座間神社(ざまじんじゃ)には、犬と猫のための境内社「伊奴寝子社(いぬねこしゃ)」があり、健康長寿や病気平癒とあわせて七五三の祈願も受け付けています。東京の武蔵御嶽神社(むさしみたけじんじゃ)は、犬の祈祷を屋外の遥拝所で行っていて、一緒に来られない場合は飼い主だけの祈祷もお願いできます。内容や料金は変わることがあるので、行く前に公式サイトで確かめておくと安心です。

ただし、すべての神社や寺院でペットのご祈祷や同伴ができるわけではありません。「ペット可」でも、境内までなのか、社殿や本堂まで一緒に入れるのかは所によって違います。問い合わせるときは、次のあたりを確認しておくと当日迷いません。
- ペット同伴で境内に入れるか
- 社殿・本堂など、ご祈祷を受ける場所まで一緒に入れるか
- 予約が必要か
- キャリー・カート・マナーパンツなどの指定があるか
- 写真撮影ができるか
- 初穂料(神社)/祈祷料(寺院)の金額
- ワクチン接種証明などが必要か
同伴ができない場合でも、飼い主さんだけでお参りして、うちの子の分のお守りをお受けするという方法もあります。

写真スタジオで記念撮影
「ご祈祷までは考えていないけれど、着物姿の写真は残したい」。そんな方には、ペット撮影ができる写真スタジオという選択肢があります。七五三の時期には、着物や袴、被布の貸し出しをセットにしたプランを出しているスタジオもあるようです。
慣れない衣装や場所に緊張する子もいるので、撮影は短時間で済ませてもらう、お気に入りのおやつやおもちゃを持っていく、といった準備をしておくと、うちの子も飼い主さんも楽かもしれません。着物を着せた瞬間に固まる子、逆にノリノリの子。どちらもかわいいのが困りどころです。
おうちでお祝いする
いちばん気軽なのが、おうちでのお祝い。外出が負担になりやすい子には、この形が合います。特に、知らない場所や移動が苦手な子は、いつもの環境で過ごす方が落ち着きやすいでしょう。年を重ねて遠出がしんどくなった子にも合っています。
千歳飴風の袋や飾りを用意して、食べ慣れたいつものおやつと一緒に写真を撮る、着物風のバンダナやスタイを着けて写真を撮る、「七五三」と書いた手作りの飾りを背景にする。こんな小さな工夫でも、写真に残すと立派な記念になります。家族みんなで写真を囲んで「大きくなったね」と話す、それだけでも十分な七五三かもしれません。ぷいっと横を向いた一枚のほうが、あとで見返すと味が出たりします。
何をする?ペットの七五三でよくあること
ここまでで出てきた「すること」を、もう少しだけ具体的に見ておきます。全部やる必要はなく、できそうなものを2つ3つ選ぶくらいがちょうどいいと思います。
- 健康祈願・長寿祈願:神社や寺院でご祈祷を受ける。「今年も元気で」を言葉にしてもらう
- 記念撮影:着物・袴・被布などの衣装で。スタジオでも、おうちでも
- 千歳飴:千歳飴風の袋や飾りを用意して、食べ慣れたいつものおやつと一緒に。人用の千歳飴やお菓子は与えない
- お守り・絵馬:ご祈祷の際にお受けする、または絵馬にうちの子の名前と願いごとを書く(文例はペットの絵馬の記事に)
- ごちそう:いつもより少し特別なごはんやおやつ。食べすぎには気をつけて
衣装については、無理に着せないことが大前提。首まわりや脚の動きを妨げない、暑がっていないか、嫌がっていないかを見ながら、写真を撮る数分だけにとどめるのが優しいやり方だと思います。「着物は苦手そうだから、リボンだけ」も、もちろんあり。
ペットの七五三で気をつけたいこと
楽しい行事だからこそ、うちの子が無理をしていないか、まわりに迷惑をかけていないかは気にしておきたいところです。
神社や寺院に行くなら、事前の確認をしたうえで、リードは短く持つ、キャリーやカートに入れる、排泄は済ませてから、というのは基本のマナー。人の七五三で来ている家族も多い時期なので、小さな子どもや動物が苦手な方にも気を配りたいですね。
体調面では、秋とはいえ日中は暑い日もあります。衣装を着せた状態で長く待つのは避けて、水分を取れるようにしておくと安心です。「今日はやめておこう」と切り上げる勇気も、うちの子を守るひとつの判断だと思います。
まとめ:ペットの七五三は、「元気でいてくれてありがとう」を形にする日
ペットの七五三は、人の七五三にならって、うちの子の健康と成長を家族で喜ぶ祝い方。神社や寺院でご祈祷を受ける、写真スタジオで着物姿を残す、おうちでごちそうと写真、どれを選んでも、その気持ちが中心にあれば十分だと思います。
年齢も日にちも、厳密に決まっているわけではありません。「今年も一緒に秋を迎えられた」ことを、うちの子のペースで祝えたら、それがいちばんいい七五三なのではないでしょうか。
ペットのお守り・健康祈願の記事は、知りたいこと別の記事ガイドにまとめています。
ご祈祷でお守りをお受けしたら、「どこに置けばいいの?」と迷うこともあります。ペットのお守りの置き場所や扱い方は、こちらの記事で紹介しています。


※ペットの同伴範囲やご祈祷の方法、費用などは、神社・寺院によって異なります。訪れる前に、公式サイトや電話で最新の案内をご確認ください。



