信号待ちで、前の車のうしろに「家に猫がいます」のステッカー。どういう意味なんだろう、と気になったことはありませんか。
「家に猫がいます」は、飼い主が猫のそばにいられないときに、家にいる猫に誰かが気づいてくれるように、という表示です。 車・玄関・お財布と、置く場所はいろいろ。ただ、場所によって届く場面と相手が違います。
室内飼いの猫は、窓の外から姿が見えることも少なく、そこに猫がいると知っているのは、飼い主と近しい人くらいです。だから、飼い主の側から「猫がいる」を伝えておく方法がいくつかあります。
「家に猫がいます」ステッカーは、猫のそばにいられないときのための表示
猫は、自分で助けを呼ぶことができません。飼い主が急に入院したり、外出先の事故でしばらく帰れなくなったりすると、ごはんやお水が足りなくなっても、誰にも気づいてもらえない……ということも起こりえます。
「家に猫がいます」の表示は、そんなときに「この人の家には、猫が待っている」と周りの人に気づいてもらうためのもの。
犬と暮らす家の「家に犬がいます」も、考え方は同じです。
「犬が乗っています」とは、知らせる子のいる場所が違う
よく似たものに「犬が乗っています」「猫が乗っています」のステッカーがあります。こちらは、車の中にいる子を知らせる表示。「家に猫がいます」は、家で待っている子を知らせる表示なので、知らせる子のいる場所が違います。車の中にいる子を外へ伝える備えは、こちらの記事で整理しています。

玄関で見かける自治体の小さな「犬」シールとも別物です。あのシールが義務かどうかは、玄関の「犬」シールは義務?の記事にまとめています。
車に貼るなら、届くのは事故や急病の場面
車の「家に猫がいます」は、運転中や出先で事故にあったり、具合が悪くなったりしたときに、そばにいる人の目に入ることを願って貼るものです。救急や警察の方が必ず見てくれる、という決まりがあるわけではありません。
もちろん、かわいいから、うちの子が自慢だから、と飾りのつもりで貼っている方も多いはず。それも楽しい貼り方ですし、飾りの1枚でも、もしものときに「この人には帰りを待つ猫がいる」と伝わるきっかけになるかもしれません。
貼れない窓がある
車の窓には、貼ってよい場所とよくない場所があります。
- フロントガラスと、運転席・助手席の横の窓:車検のステッカーなど、決められた物以外は貼れません
- うしろの席の横の窓・リアガラス・車体:決まりで貼れないのは前の窓なので、ペットのステッカーはこのあたりに貼られています
「家に猫がいます」は、初心者マークのように法律で決まった標識ではなく、飼い主が自分で選んで貼る表示です。マグネットのサインを車体に貼る方もいるようです。
車のステッカーだけでは、連絡先までは届かない
ステッカーで「猫がいる」ことは伝わっても、誰に連絡すればいいかまでは分かりません。車をよく使う方は、次に出てくるお財布のカードと組み合わせておくと、「猫がいる」と「誰に連絡するか」が両方そろいます。
玄関に貼るなら、届くのは留守中の火事や災害の場面
玄関の「猫がいます」は、留守中に火事や災害が起きたとき、家に入って確かめる人へ「中に猫がいるかもしれない」と伝えるためのもの。人見知りの猫は、知らない人が来るとベッドの下や押し入れの奥に隠れてしまうので、表示があると探してもらうきっかけになることがあります。
必ず見てもらえるとは限りませんが、伝える手段をひとつ残しておけます。
玄関用には、猫や犬の形で「猫がいます」「犬がいます」と伝える、マグネットのレスキューサインもあります。マグネットなので、貼る位置を変えやすいのも使いやすいところです。
何を書くかはペットのレスキューサインには何を書けばいい?、貼る場所は次の記事で整理しています。

避難したら「避難済み」と書き足す
一緒に避難できたときは、「避難済み」と日付を紙に書いて、サインの横にテープで留めておくと、「まだ中にいるかも」と探し続けてもらわずに済むかもしれません。玄関に何を残すかは、災害時、ペット避難で玄関に何を残す?の記事で整理しています。
留守がちなことまで外に伝わらないか気になる方は、「ペットがいます」サインと防犯の関係の記事もどうぞ。
お財布のカードは、自分が倒れたときのために
お財布やスマホケースは、出かけるときにいつも持っているもの。外出先で倒れたときも、手元に残りやすい場所です。そこに「家に猫がいます」と連絡してほしい人が書いてあれば、見つけた人が気づくきっかけになります。
東京都などが用意している緊急連絡カードも、名刺サイズの二つ折り。「普段から身に付けておく」ことがすすめられています。カードのほか、キーホルダーの形で持ち歩ける物もあります。
書き方は、携帯用ペット情報カードの書き方・記入例の記事にまとめています。
車・玄関・お財布の使い分け
| 車 | 玄関 | お財布・スマホケース | |
|---|---|---|---|
| 届く場面 | 運転中・出先の事故や急病 | 留守中の火事や災害 | 外出先で倒れたとき |
| 目に入る人 | その場にいる人 | 家に入って確かめる人 | 身元を確かめる人 |
| 書くこと | 「家に猫がいます」 | 種類と頭数(避難したら「避難済み」) | 猫の情報と、連絡してほしい人 |
| 気をつけること | フロントと前の席の横の窓には貼らない | 留守が伝わりすぎないか | 連絡先の人に先に一声かける |
全部をそろえなくても大丈夫です。
貼る前に決めておきたいのは「誰に頼むか」
表示は、あくまで入口です。「猫がいる」と気づいてもらえても、その先で鍵を開けて、ごはんをあげてくれる人がいなければ、猫のところまで届きません。
だからこそ、カードに書く連絡先の人には、先に一声かけておけると心強いです。合鍵をどうするかや、猫のごはんの場所も話しておけるといいですね。災害のときも含めた預け先の探し方は、災害時にペットを預けられる場所を探すの記事で整理しています。
まとめ:まずはお財布に1枚から
「家に猫がいます」は、車・玄関・お財布のどれも、自分が猫のそばにいられないときに、猫の存在に気づいてもらうための表示です。届く場面が違うので、自分の暮らしで起こりそうな場面から選べば十分。どれか1つなら、自分と一緒に動くお財布のカードからが始めやすいと思います。
今日できることなら、連絡してほしい人に「何かあったら、うちの猫をお願いね」と伝えて、その人の名前と電話番号をカードに書いておく。それだけでも、家で待つ猫への備えになります。
防災のルールや対応は、自治体や状況によって異なります。お住まいの地域の防災情報や、かかりつけの獣医師にも相談しながら備えていただくのがおすすめです。最新の情報は、各自治体や公式サイトでご確認ください。

参考にしたページ・資料
帰れなくなったときの緊急連絡カード … 東京都動物愛護相談センター「ペットを守る緊急連絡カード」・港区
車の窓に貼れる物 … 国土交通省「道路運送車両の保安基準」第29条
法律で決まった車の標識 … 警視庁「各種標識について」




