ふと見上げたら、神棚の上に猫がちょこんと座っていました。榊は傾き、お水も少しこぼれている。「神さまの場所に上がっちゃった……バチが当たらないかな」。
先に答えると、猫が神棚に上がったからバチが当たる、という神社本庁などの案内は見当たりません。上がりにくくするコツは、神棚まわりの足場を減らすことと、神棚とは別の高い場所を用意すること。火や口に入る物の注意、落ちた物の整え方、犬が神棚に向かって吠えるときの話も順に紹介します。
猫が神棚に上がっても、気に病みすぎなくてよさそう
神棚は、神社で受けたお神札をお祀りする場所です。それだけに、「何かのしるし?」と、スピリチュアルな意味が気になる方もいると思います。
ただ、そうした話は神社本庁などの案内には見当たりません。神棚の場所や向きの案内でも、「重要なのは神さまに失礼ではなく、心を込めてお祀りすること」とされています。
気になるなら、整え直したあとに、いつものように手を合わせれば、気持ちの区切りもつくと思います。
猫が神棚に上がるのは、高い場所が好きだから
猫は、高い所や上下に動ける場所が好きな動物です。安全な所から外を眺めたり、動くものを見たりするのも好きです。
神棚は部屋の高い所にあって見晴らしがよく、榊の葉もときどき揺れます。猫から見ると、上がってみたくなる条件がそろっているのかもしれません。
神棚まわりの足場を減らす

猫は、近くの家具やカーテンレール、冷蔵庫の上などを踏み台にして、神棚までたどり着きます。まずは、神棚のそばに足場になる物がないか、見てみてください。棚をひとつずらすだけで、ルートが途切れることもあります。
神棚より楽しい高い場所をつくる
足場を減らすのと一緒に、猫が上がってよい高い場所も用意しておけるといいですね。安定した棚やキャットタワーなど、上下に動ける場所があれば、神棚とは別にくつろげる場所ができます。
置き場所は、神棚から離れた所がおすすめです。近くにあると、タワーそのものが足場になってしまいます。窓の外が見える位置なら、お気に入りの場所になってくれそうです。
灯明の火と、口に入る物に気をつける
猫がいる家の神棚で、いちばん気をつけたいのが火です。仏壇で、火の点いたろうそくを猫が倒し、火事になった例もあります。
神棚のあかり(灯明)にろうそくを使うときも同じです。ろうそくを点けたまま、その場を離れない。
猫がいる部屋なら、火を使わない電気式の灯明にするのもひとつです。電気式も、器具や配線を定期的に点検しておくと安心です。ろうそく・LED・電池式の選び方は、神棚の灯明の記事で紹介しています。
口に入る物にも気をつけたいですね。榊の葉や器の水を猫が口にしても大丈夫かは、はっきりしていません。榊や飾りに付いている紙や紐も、かじって飲み込むことがあります。足場を減らして神棚に近づけないようにしておけば、口に入れる心配も減らせます。
かじったあとに吐く・元気がないなど、いつもと違う様子があれば、早めに動物病院に相談してください。
※この記事は一般的な目安です。持病のある子や様子が気になる子は、かかりつけの先生にも相談できると心強いです。
落ちたお神札・倒れた榊やお水は、どうする?
猫が上がったあとは、何かが落ちたり倒れたりしていることがあります。あわてずに、ひとつずつ整えます。
お神札や神棚が落ちたら
ほこりをそっと払って、もとの場所に戻します。汚れや破れが気になるときは、そのお神札を受けた神社に相談してみてください。
榊やお水が倒れたら
こぼれた水をふき、榊を立て直して、お水を入れ替えます。榊の水も、ふだんから毎日取り替えて、みずみずしさを保ちます。お供えのふだんの替え方は、神棚のお供えを毎日替えるときの記事にまとめています。
神棚の下に、猫のトイレやケージを置いてもいい?
神棚の下に猫のトイレやケージがあると、「このままでいいのかな」と気になることがあります。
神棚の真下にペットのトイレを置いてはいけない、という案内は見当たりません。神棚の場所でいちばん大切とされているのは、清らかなことです。避けたいのは、階段の下や、人が下を通る部屋の出入り口です。上の階が台所・浴室・トイレになる所も、避けたい場所に挙げられています。
そのうえで、トイレは神棚の真下から少し離しておくと、気持ちよくお祀りしやすくなります。猫はきれいなトイレが好きなので、離した先も、こまめに掃除しやすい位置だといいですね。
ケージや寝床も、神棚の真下を避けておくのがひとつです。上から榊や器が落ちることがあるうえ、ケージの屋根が神棚への足場にもなるからです。
神棚そのものを移したいときは、動かす前に、お神札を受けた神社に聞いておけると安心です。

犬が神棚に向かって吠えるとき
神棚に向かって、犬がじっと見上げて吠える。少し不思議に感じることもありますよね。
理由は子によって違いますが、神棚まわりを犬の目線で見てみると、思い当たる物があるかもしれません。エアコンの風で揺れる紙や榊、光を反射する飾り、神棚の上にいる猫。動くものや音に反応していることもあります。
吠え始めてから止めるより、紙や飾りの位置を変えて、吠えるきっかけを先に減らしておくほうが近道です。
落ち着いていられたら、そのときにたくさん褒めてあげてくださいね。叱ったり叩いたりすると、ワンコにとって飼い主さんが怖い存在になってしまうことがあります。
長く続く、夜も落ち着かないなど気になる様子があれば、動物病院で相談してみてください。
雛人形やお正月飾りにも、同じ気配りを
神棚と同じように、季節の飾りも猫の興味を引きます。雛人形の小さな扇や冠、しめ縄の紐、鏡餅の飾り。細かくて、揺れたり転がったりする物は、猫にとって神棚と同じくらい気になる存在です。
ケースがあればケースに入れて飾る、猫が入らない部屋に飾る、留守のあいだは扉を閉めておく。どれかひとつ、できるものから選んでみてください。
小物や紐は、神棚と同じく誤飲に気をつけておきます。お内裏様の横で猫さんがくつろぐ写真はかわいいのですが、それは見守れるときだけのお楽しみに。
うちの子のお守りの置き方は、神棚とは別の話
「ペット用の神棚」を探して、この記事にたどり着いた方もいるかもしれません。神棚はお神札をお祀りする場所で、うちの子のお守りの置き方とは話が分かれます。神棚との違いも含めて、次の記事で整理しています。

まとめ:バチを心配するより、上がりにくい工夫をひとつ
バチの心配より先に、まずは今日、神棚のそばの足場をひとつ動かしてみてください。
神棚や縁起物の記事は、知りたいこと別の記事ガイドにまとめています。
うちの子のお守りを家に置くなら、どこがいい? 置き場所の考え方はこちらの記事で。


参考にしたページ・資料
バチの案内が見当たらない範囲・心を込めてお祀りする・榊の水を毎日替える … 神社本庁「神棚」
神棚を避けたい場所(人が下を通る所・上の階の水回り)・清らかな所 … 北海道神社庁
猫がろうそくを倒した火事の例・電気式の灯明の点検 … 豊岡市消防本部




