朝、ケージをのぞいたら、いつもの場所で動かなくなっていた。ハムスターが亡くなったとき、「どうしてあげればいいんだろう」と、その場で固まってしまう方は少なくありません。体がこんなに小さいのに、犬や猫と同じように火葬してもらえるのか。庭に埋めてもいいのか。そもそも、骨なんて残るのか。
この記事では、亡くなった直後にすることから、火葬・埋葬の選び方、火葬したら骨は残るのかまでを、順番にまとめました。急がなくて大丈夫です。ひとつずつ、見ていきましょう。
亡くなった直後にすること
まずは、その子の体をやさしく整えて、涼しい場所で休ませてあげます。
清潔なティッシュやガーゼ、やわらかい布で体を包み、小さな箱に寝かせます。お菓子の空き箱や、小さなタッパーでもかまいません。手足が硬くなる前なら、丸まって眠っているような姿勢にそっと整えてあげると、あとで見たときに穏やかな気持ちでいられるはずです。
保冷剤をタオルで包んで箱のまわりに置き、直射日光の当たらない涼しい場所へ。体が小さいぶん傷みも早いので、とくに夏場は、その日のうちに次の対応を決めておくと安心です。
安置の細かなコツや、何日くらい家にいてもらえるかについては、こちらの記事に詳しくまとめています。

冬なら、擬似冬眠ではないか一度だけ確かめる
ひとつだけ、ハムスターならではの確認があります。
気温が10℃を下回るような寒い時期、ハムスターは「擬似冬眠」といって、まるで亡くなったように動かなくなることがあります。体は冷たいのに、触るとやわらかい。よく見ると、ヒゲや胸がかすかに動いている。そんなときは、まだ生きている可能性があります。
急に温めるのではなく、部屋を暖め、タオルに包んだカイロをそばに置いて、ゆっくり体温を戻してあげてください。数十分から数時間で、目を覚ますことがあるといわれています。
ただ、擬似冬眠は体にとても負担のかかる状態で、そのまま戻らないことも少なくありません。もし「あのとき気づいていれば」と思っても、どうかご自身を責めないでいただけたらと思います。冬眠から戻らないことは、飼い主さんのせいではないのです。
火葬・埋葬・プランター葬、どう選ぶ?
ハムスターの場合、選べる方法は大きく3つ。火葬してお骨を残すか、土に還すか——どちらが正しいということはなく、「その子とこれからどう過ごしたいか」で選んでいいものです。
① 小動物対応のペット火葬業者に依頼する
いちばん多いのが、ペット火葬業者にお願いする方法です。
ここで大切なのが、「小動物対応」と明記されている業者を選ぶこと。ハムスターの体はとても小さく、犬や猫と同じ火力で火葬すると、お骨がほとんど残らないことがあります。小動物に慣れた業者は、火力や時間を調整して丁寧に火葬してくれるので、お骨を残したい方はまず「ハムスターの火葬実績はありますか」と聞いてみてください。
費用は業者やプランで幅がありますが、ほかの子と一緒に火葬する合同プランで8,000円〜、個別に火葬してお骨を返してもらうプランで12,000円〜が目安のようです。合同火葬はお骨が戻らないことが多いので、手元に残したい方は「返骨あり」かどうかを確認しておくと安心です。
② 自宅の庭やプランターに埋葬する
自分の所有する土地であれば、庭に埋葬することは法律上問題ありません。においや動物に掘り返されるのを防ぐため、50cmほどの深さに埋めるのが目安です。
庭がなくても、大きめの鉢やプランターに土を入れて埋める「プランター葬」という方法もあります。お花を植えて、ベランダで見守る。そんな形を選ぶ方も、ハムスターの飼い主さんには多いようです。集合住宅では管理規約を確認してから行うと、あとで困りません。
③ 自治体の火葬施設を利用する
市区町村によっては、小動物にも対応した公営の火葬施設があります。費用が比較的安いことが多い反面、お骨が戻らない、ほかの動物と一緒になる、といった場合もあります。お住まいの地域の役所に「ハムスターの火葬はできますか」と問い合わせてみると、はっきりします。受け入れの条件や持ち込み方も、そのときに聞いておくと安心です。
迷ったときの目安。
お骨を手元に残したい → 小動物対応の個別火葬。
土に還して、庭やベランダで見守りたい → 埋葬・プランター葬。
費用をおさえたい → 自治体の施設や合同火葬。
ハムスターを火葬したら、骨は残る?
「こんなに小さいのに、骨なんて残るの?」
「残ったとしても、ほんの少しなのかな」
これは、火葬を考え始めた多くの方が気になるところだと思います。
結論からいえば、小動物に慣れた業者に個別で火葬してもらえば、骨は残ることが多いようです。ハムスターの体重は種類によって20g〜150gほど。骨はとても細くて小さいのですが、火力を調整して丁寧に火葬してもらえれば、頭やあしのお骨が小さく形を留めて戻ってくることが多いようです。
残る量は、ほんの少し。ゴールデンハムスターで小さじ一杯ほどといわれることもあり、ジャンガリアンやロボロフスキーのような小さな子だと、さらに少なくなるようです。業者によっては、小さな骨壷やお守り袋、小瓶に納めて返してくれることもあります。ほんのひとかけらを遺骨ペンダントに納めて、いつも身につけている方もいます。
骨がほとんど残らなかったとき
一方で、火力が強かったり、体がとても小さかったりすると、お骨がほとんど残らないこともあります。「何も残らなかった」と聞いて、がっかりしてしまう方もいるでしょう。
でも、残らなかったからといって、その子を大切に送り出した事実は変わりません。ケージにあった巣材やひまわりの種、写真、抜けた毛。手元に残るものは、お骨だけではないはずです。灰だけでも小さな器に納めて、いつもの棚に置いてあげる方もいます。
ほんの少しでもお骨が戻ってきたら、両手に包める小さな骨壷で、そばに置いてあげる。ハムスターのお骨に合う骨壷の大きさや置き場所については、こちらでまとめています。

一人で決めなくていい
どの方法にも、「正しい」も「間違い」もありません。その子との思い出や、家族の気持ち、これからどこで見守りたいかに合わせて選んでもらえたらと思います。
決めきれないときは、火葬業者に電話して相談するだけでも、気持ちが少し整理されることがあります。「ハムスターなんですが」と話し始めれば、慣れた業者なら、あとは向こうがやさしく案内してくれるはずです。
庭やプランターへの埋葬が法律上どう扱われているか気になる方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

このあと何をすればいいのか、順番が分からなくなったときは、看取りから火葬・供養・手続きまでの流れを「ペットのお見送りガイド」に時系列でまとめています。必要なところだけ、開いてみてください。



