「来週、手術をしましょう」。診察室でそう言われた日から、家に帰ってもなんだか落ち着かない。できることは全部しておきたい——そう思ったとき、ペットの病気平癒や手術成功を願うお守りを受けたり、ご祈祷を頼んだりする形があります。
先に言うと、手術が明日でも選べる形はあります。近所の神社で「うちの子の分」としてお守りを受ける。日にちがあればペットのご祈祷を受け、遠ければ郵送や通信で申し込む、という選び方です。「どこの神社か」は別の記事に譲り、ここでは頼み方と、連れて行けないときの形を順にまとめます。
手術までの日数で、形を選ぶ
まず数えたいのは、手術までの日数です。そこから、今できる形を選びます。
手術が明日か数日後なら——近所の神社で一つ
手術が明日か数日後なら、近所の神社へ。ペット用のお守りがなくても、人用の病気平癒や健康のお守りを「うちの子の分」として受ける、という形も考えられます。
人用でよいのか迷うなら、授与所(お守りを受ける窓口)で「うちの子の手術が近いのですが、病気平癒のお守りを受けてもよいですか」とひと言。ペット用のお守りがあるかどうかも、あわせて尋ねられます。全国共通の案内は確認できる範囲では見当たらないので、迷ったら授与所で聞いてしまうのが早い道です。
人用のお守りをうちの子のために持つ考え方や、お守りの形の違いは、ペットのお守りの種類、何を選ぶ?に整理しています。
一週間から二週間あるなら——ご祈祷を受け付けている神社を探す
一週間から二週間ほどあるなら、ペットのご祈祷を受け付けている神社を探す時間があります。日程がまだ決まっていない、入院が長引きそう、というときは、郵送や通信でも申し込めます。届くまでの日数は後半で。
ご祈祷の頼み方——申し込みと、願いごとの書き方
神社本庁の案内では、個人のご祈願は神社に申し込んで受けます。社務所か授与所で初穂料(ご祈祷を受ける神社に納めるお金)を納め、所定の用紙に住所・氏名・ご祈願の内容(願いごと)を書くのが申し込みの流れです。受付が済むと、神職や巫女が案内してくれます。
願いごとの欄は「病気平癒」「手術成功」と書く
ペットのご祈祷を受け付けている神社では、うちの子の名前と願いごとを伝えます。願いごとは「病気平癒」「手術成功」など。たとえば座間神社(ざまじんじゃ・神奈川県)の伊奴寝子社(いぬねこしゃ)は、犬猫の御祈願として健康長寿・病気平癒・手術成功などを挙げています。武蔵御嶽神社(むさしみたけじんじゃ・東京都)の犬のご祈祷でも、願いごとの中に病気平癒があります。
用紙は神社ごとに違うので、書き方に迷ったら、受付で「手術が近いのですが、願いごとの欄はどう書けばよいですか」と聞いてみます。
出かける前に、公式サイトか電話で確かめること
出かける前に、公式サイトか電話で確かめておきたいのは次の点です。手術前の子を連れて行くなら、待ち時間とご祈祷の場所は特に気になるところです。
- ペットのご祈祷を受け付けているか(人のご祈祷だけの神社もあります)
- うちの子と一緒に受けられるか。飼い主だけでも受けられるか
- 予約が要るか。武蔵御嶽神社は予約不要、少彦名神社(大阪府)は電話予約制、と神社で違います
- 初穂料(神社によって異なります)
- ご祈祷の場所が屋外か社殿か、待ち時間はどのくらいか
※ペットのご祈祷の受付方法や同伴の範囲、初穂料は神社によって異なり、変わることもあります(この記事は2026年9月時点)。訪れる前に、各神社の公式サイトや電話で最新の案内をご確認ください。
体調の悪い子は、連れて行かなくていい
手術前の子にとって、車での移動、知らない場所、待ち時間は、それだけで負担になることがあります。「うちの子のためのご祈祷なのに、本人がいなくていいの?」と迷うところですが、飼い主だけで受けられる神社もあります。
武蔵御嶽神社は、高齢や病気の犬は飼い主だけでもご祈祷を受けられると案内しています。朝峯神社(あさみねじんじゃ・高知県)も、体調が悪い子は飼い主だけで、と公式サイトに記載しています。どちらも、体調を優先して連れて行かない形を選べる神社です。外出そのものが体の負担にならないか迷うときは、かかりつけの先生に聞いておくと判断しやすくなります。
うちの子は家で休み、飼い主が代わりに手を合わせて帰ってくる。手術前は、それでいいと思っています。飼い主だけでお参りする形は、こちらの記事に詳しく書いています。

遠くて行けないとき——郵送・通信のご祈祷と、届くまでの日数
ペットのご祈祷をしている神社が近くにない。そんなときは、郵送や通信でご祈祷を受け付けている神社もあります。
たとえば晴明神社(京都府)のペット健康祈願は申込書を送る通信制で、ご祈祷のあとに祈願札とお守りが届きます。市谷亀岡八幡宮(いちがやかめがおかはちまんぐう・東京都)は「傷病平癒お守り」を含むペットのお守りを地方発送しているほか、飼い主とうちの子の名前、願いごとを刻んだ木の札をご祈祷して送る授与品もあります。
届くまでの日数を、申し込む前に聞く
気をつけたいのは、届くまでの日数です。晴明神社は送付まで約10日が目安。手術が来週なら、届くのは手術のあとになるかもしれません。申し込む前に「いつごろ届きますか」を一緒に聞いておくと、間に合うかどうかで迷わずに済みます。
それでも、病気平癒の願いは手術が終わったら終わりではなく、回復を待つ日々にも続きます。届いたお守りを、退院後のうちの子のそばに置くのも自然な形です。
手術の日にどうしても手元に置きたいなら、先に近所の神社で一つ受け、郵送の分はあとから合流させる。ふたつになっても、神社本庁は、複数のお守りを持つことを心配する必要はないと説明しています。
対応している神社は、地域別の記事で
郵送・通信の受付は、すべての神社が行っているわけではなく、受付が休止・再開されることもあります。郵送や遠隔での祈願に対応している神社は、地域別にこちらの記事にまとめています。

手術の日、お守りは飼い主のかばんに
受けたお守りを、手術の日はどうするか。神社本庁では、お守りは身に付けて持つものと説明しています。この記事では、飼い主のかばんやポケットに入れて一緒に病院へ行く形を基本にしています。待合室で、そっと握っていてもいい。
手術が終わって落ち着いたら、お礼参りという形も
手術が終わって落ち着いたら、お礼参りという形もあります。神社本庁のFAQには、お願いしたことが叶ったときは感謝の気持ちを込めてお礼のお参りをするとよいこと、ご祈祷のように申し込んでお礼の気持ちを表す方法もあることが記されています。
郵送で受けた遠くの神社なら、お礼の気持ちを手紙で送るのもひとつ。いつもの散歩道を歩けるようになったころ、飼い主があらためて神社に寄る。そんなお礼参りも、いいなと思います。お礼の絵馬を書くときの文例は、ペットの絵馬の記事に。
友人の子の手術前に、お守りを贈るとき
「友だちの犬が手術と聞いて、何かできないかな」。そう思って、お守りを贈ることを考える人もいるかもしれません。
贈ってはいけない、という案内は、神社本庁や各神社の公式サイトでは見当たりません。〇〇ちゃんの分としてお守りを一つ受ける。その気持ちは、やさしいものだと思います。
そのうえで、相手の受け止め方、お守りの種類、添える言葉を考えておきます。
相手の受け止め方:重くならない言葉で
手術前は、気持ちに余裕がないときです。神社やお守りに馴染みがない人もいるので、「うちの子の分を受けたついでに、〇〇ちゃんの分も」「気持ちだけね」のように、重くならない言葉を添えます。受け取るかどうかは相手に任せる、くらいの温度で。渡さずに「手術の日、こっちでも手を合わせておくね」と言葉だけ伝えるのも、気持ちの届け方のひとつです。
お守りの種類:昔ながらの袋型が渡しやすい
手のひらに収まる昔ながらの袋型がいちばん渡しやすいと思います。飼い主さんがかばんに入れて持てて、家に置くこともできる。サイズや色を相手の子に合わせて悩まずに済みます。
添える言葉と渡す時期:結果を約束しない短い一言を、早めに
「絶対大丈夫」「きっと治るよ」のように結果を約束する言い方を避けて、「無事に終わりますように」「返信はいらないからね」くらいの短い言葉に。
渡す時期は、手術の前日や当日は相手も慌ただしいため、手術が決まったと聞いた時点で早めに。会えなければ、短いメッセージを添えて郵送する方法もあります。
まとめ:まずは近所で一つ。あとの形は、日数とその子の体調で
お守りやご祈祷は、治療の結果を約束するものではありません。それでも、手を合わせる時間が、待つあいだの飼い主の気持ちを少し支えてくれることがあります。手術が終わって落ち着いたら、お礼参りという形も。
まずは近所で一つ。あとの形は、手術までの日数と、その子の体調で。
ペットのお守り・健康祈願の記事は、知りたいこと別の記事ガイドにまとめています。





