老犬の最期のサインとは?ワンコが老衰で亡くなる前に体に起きること、飼い主にできること

立ち上がるのに時間がかかるようになった。ご飯をあまり食べなくなった。夜中に急に鳴き出すことが増えた。——そんな変化に「もしかして」と感じながら、この記事にたどりついてくれた方がいるかもしれません。

老犬の体は、最期が近づくにつれて少しずつ変化していきます。その変化のサインを知っておくことは、「気づかなかった」という後悔を減らし、そばにいるための時間を整えることにつながります。

この記事では、老犬に見られやすい最期のサインと、そのときにそばでできることをまとめました。

目次

老犬に起きやすい最期のサイン

犬は猫ほど弱みを隠さない動物ですが、老いによる変化は少しずつ積み重なっていくため、「いつから始まったのか」がわかりにくいことがあります。以下のような変化が続いているとき、体が弱ってきているサインかもしれません。

気になることが一つでも重なっているなら、見過ごさず、丁寧に見ておきたいところです。

食欲と水分の変化

食べなくなった、水を飲まなくなった——これは最期が近いときに最も多く見られる変化のひとつです。大好きだったご飯のにおいをかいでも食べない、口をつけてすぐ離れてしまう、という状態が続くようになります。

逆に、腎臓や肝臓に問題がある場合は水をたくさん飲む時期があります。その後、まったく飲まなくなる経過をたどる子もいます。食欲・水分の変化は体全体のサインとして受け取ってほしいことのひとつです。

足に力が入らなくなる・起き上がれない

立ち上がるのに時間がかかる、立ったあとふらつく、床に寝たままなかなか動けない——足や腰に力が入らなくなることは、老犬に起きやすい体の変化のひとつです。

はじめは「歳のせいかな」と感じる程度でも、日に日に歩ける距離が短くなったり、自力での立ち上がりが難しくなっていくことがあります。寝たきりになってからは、同じ姿勢が続かないよう体位を変えてあげることが大切になります。

呼吸の変化・体温の低下

呼吸がいつもより浅く速くなったり、お腹が大きく動くようになったとき、体に負担がかかっているサインです。口を開けてゼーゼーするような呼吸が続くときは、苦しさがある場合もあります。

手足や鼻先が冷たくなってくるのも、体力が落ちてきているときに見られる変化です。特に夜間は体温が下がりやすいため、保温には気をつけてあげてください。

夜鳴き・ぐるぐる歩く・認知症様の様子

夜中に突然大きな声で鳴く、同じ場所をぐるぐると歩き回る、飼い主のことを認識しにくくなる——これらは老犬に多い認知機能の変化として知られています。「痛いのかな」「怖いのかな」と不安になる方も多いのですが、名前を呼びかけたり、そっと体に触れることで落ち着く子も少なくありません。

混乱しているように見える様子も、ただひとりにせず、近くにいてあげることが大切です。

サインを見たとき、まず確認したいこと

「気になる変化があるかな」と思ったとき、まず確認してほしいのはかかりつけの獣医師への相談です。

老いからくる変化と、治療で楽にできる不調はよく似ています。痛みがあるかどうか、何か対処できることがあるか——その判断は、プロでないと難しいことがほとんどです。「もう歳だから仕方ない」と受診をためらわず、気になることをひとつ聞いてみる姿勢でいてほしいと思います。

犬が苦しんでいるかどうかの目安として、多くの獣医師が挙げるのは「呼吸の乱れ」「じっとしていられない・落ち着かない様子」「特定の場所を気にする・触れると嫌がる」などです。静かに横になって眠っているような状態が続いているなら、大きな苦しさなく過ごせていることも多いとされています。

痛みや苦しさがある場合は、獣医師に相談することで緩和できることもあります。最後まで楽に過ごさせてあげることを、一緒に考えてもらえる場所があると知っておいてほしいと思います。

最期まで家で過ごすための心がけ

「何かしてあげたいのに、何もできない」と感じる方は多いと思います。でも、そばにいること自体が、その子の安心になっています。

寝たきりになってきたら、特に気をつけたいのが床ずれ(褥瘡)の予防です。同じ体勢が長く続くと、皮膚が圧迫されて傷みやすくなります。数時間ごとに体の向きを変えてあげること、クッションや低反発マットなど体が沈み込みやすい寝床を用意してあげることが助けになります。

ご飯や水は、無理に食べさせようとしなくて大丈夫です。食べられなくなることは、体の自然な変化のひとつです。スポイトや少量の水を口の端にそっと含ませてあげたり、口まわりを湿らせてあげるだけでも、乾燥からくる不快感を和らげることができます。

そして——声をかけてあげてください。名前を呼ぶ。「ここにいるよ」と伝える。反応が薄くなっていても、飼い主の声や気配はその子に伝わっているといわれています。体を撫でてあげることも、安心感につながります。

完璧にできなくて大丈夫。そばにいようとしたこと、その気持ちはきちんと届いています。

お別れのことを、少しだけ考えておくこと

「まだそんなことを考えたくない」。そう思うのは当然です。でも最期が近づいてきたと感じたとき、少しだけ頭の隅に置いておけると、後から気持ちが楽になることがあります。

どんなにしたいか。自宅でそばにいてあげるのか、社にお願いするのか。棺に入れてあげたいものは何か。焦って決めなくていい。ぼんやりと想像しておくだけで十分です。

毛を少しだけ取っておくこと、写真を撮り溜めておくこと、好きだったおもちゃをそっとしまっておくこと。どれも小さなことですが、「しておいてよかった」と後になって思う方が多いようです。

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