台風情報が出るたびに「今度こそ準備しておこう」と思う。でも、過ぎてみると「なんとかなった」でいつも終わってしまう。そういうご家庭は少なくないのではないでしょうか。
台風は、地震と比べてひとつ大きな違いがあります。数日前から予報が出て、「いつ来るか」がある程度わかる。これは、防災の観点でいうとかなり大きなことです。事前に動ける時間が確実にある唯一の災害といってもいいかもしれません。
この記事では、台風・大雨が近づいてきたとき、ペットのいる家庭が何をやっておくとよいかを整理します。ペットを連れて逃げることになった場合の考え方も合わせてまとめました。
台風準備は「予報が出たとき」が動き時
台風は、72時間前には進路予報が出ます。つまり、3日前から「備えるべきか」の判断ができる状態になります。
ところが、実際に動き始めるのは「前日になってから」「当日の朝になってから」というご家庭が多いようです。それではペットを連れた避難準備には、時間が足りないことがあります。
ペット連れの移動は、単純に荷物が増えます。キャリーに慣れていない子なら入れるだけで時間がかかる。ご飯や薬を忘れた、ペット可の避難先がわからなかった、ということもあるようです。
だからこそ、「予報が出た段階で動き始める」という習慣が、ペットのいる家庭にはとくに大切になります。
まず確認しておきたいこと
自宅のハザードマップを見ておく
「うちは大丈夫だろう」と思っていても、ハザードマップを確認すると浸水リスクや土砂崩れリスクがある地域に入っていることがあります。自治体のウェブサイトやハザードマップポータルサイト(国土交通省)から確認できます。
自宅のリスクが低ければ、台風のときは在宅避難が基本になります。逆に浸水・土砂崩れのリスクがある地域なら、早めの避難を判断する理由になります。
ペット連れで行ける避難先を把握しておく
近くの避難所がペット同伴を認めているかどうかは、自治体によって異なります。環境省は「同行避難(ペットと一緒に安全な場所へ移動すること)」を推奨していますが、避難所でペットと一緒に過ごせる「同伴避難」ができるかどうかは別の話です。
事前に確認できる範囲で、ペット同伴が可能な避難場所・ペットを預けられる場所をリストにしておくと、いざというときに動きやすくなります。
ペットの室内環境を整える
台風が近づいてきたら、ペットが過ごす室内環境を少し見直しておくとよいことがあります。
窓から離れた場所に定位置を移しておくのがひとつです。台風では窓ガラスが割れることがあります。窓際に寝床や定位置があると、そこにいる子が危険にさらされる可能性があります。
停電を想定して、キャリーやケージをあらかじめ出しておくのも安心です。急に「入って」と言っても入ってくれない子は多いです。ふだんから慣れてもらうことが理想ですが、少なくとも台風が来る前には見えるところに置いておくと、入れやすくなることがあります。
暗くなったときのことを想定して、ペットが過ごす部屋の片付けや家具の安定も確認しておくと安心です。
外のものを片付けておく
台風の前に見落としやすいのが、屋外や庭に出しているものです。
犬小屋、外置きのサークル、おもちゃ、プランター、植木鉢。こうしたものは強風で飛ばされて、窓ガラスを割る原因になることがあります。「これくらいは大丈夫だろう」と思っているものでも、台風のときは思わぬ勢いになることがあるようです。
「外に出しているもの」と「外に置いてある隣家のものが飛んでくる可能性」も頭に入れておくと、ペットの安全場所の選び方が変わることがあります。
台風のとき「逃げる vs とどまる」の判断
台風への対応でよく迷うのが、「避難したほうがいいのか、家にいたほうがいいのか」という判断です。
基本的には、自宅が安全な地域(浸水・土砂崩れリスクが低い)なら、台風本体が来ているときに外に出るほうが危ないことがあります。しっかりとした構造の建物にいるほうが安全なことも多いようです。
一方で、ハザードマップで浸水リスクのある地域、川の近く、崖の近くにお住まいの場合は、台風が接近する前、つまりまだ天気が落ち着いているうちに早めに避難することが大切といわれています。台風が来てから慌てて逃げると、それ自体が危険になります。
自治体の避難情報(警戒レベル4「避難指示」が出たら迷わず動く)を確認しながら、判断のタイミングを早めにすることが、ペット連れでは特に重要です。
台風が通過したあとも注意が必要です
台風が過ぎたあと、「終わった」とつい安心しがちですが、通過後にも注意したいことがあります。
外に出したがるこの子がいても、通過直後はまだ安全でないことがあります。倒木、冠水した道路、切れた電線。見た目は落ち着いていても、危険が残っていることがあるようです。台風通過後すぐに外へ出すのではなく、しばらく様子を確認してからにするのがよさそうです。
水たまりにも注意が必要です。下水道の水があふれるなど、台風後の水には雑菌が含まれることがあるといわれています。ワンコさんの散歩で水たまりを飲んでしまうことのないよう、気をつけてあげたいところです。
建物内の安全も確認してから、いつも通りの生活に戻るほうが安心です。
玄関まわりにできること
避難する場合は、レスキューサインを最新の状態に更新してから出かけることをおすすめします。「避難済み」「◯月◯日◯時に避難」という情報を残せると、救助対応がスムーズになることがあるようです。
マグネットタイプのサインは、内容を書き換えやすく、出発前の玄関対応にも取り入れやすいかもしれません。
在宅避難の場合も、ペットがいることを玄関や窓に表示しておくことで、万一の場合に外から知らせることができます。
まとめ:台風準備は「予報が出たとき」に動き始める
台風はめずらしい災害ではありません。でも「毎年なんとかなっている」と思っていると、ペット連れでの備えが後回しになりやすいことがあります。
まず確認しておきたいのは、自宅のハザードマップとペット連れで行ける避難先の2つです。これだけでも知っておくと、いざというときの判断がずっと速くなります。
台風が来る前に動けること、それがペットのいる家庭にとっていちばん大きな備えになるのだと思います。できるところから少しずつ整えてみてください。
防災に関するルールや対応は自治体・状況によって異なります。お住まいの地域の防災情報や、かかりつけの獣医師にも相談しながら備えていただくことをおすすめします。


