新しいおうちに引っ越して、ダンボールを片づけながらふと考える。「ご近所への挨拶、ペットのことも言ったほうがいいのかな」。犬や猫と暮らす方にとって、最初の挨拶は少し迷う場面かもしれません。
近所への挨拶で、必ずペットのことを話さなければと構える必要はありません。鳴き声や物音が気になる場合や、散歩などで顔を合わせそうな場合は、一言添えておくとよいでしょう。
伝えると決めたら、長い説明はいりません。この記事では、犬・猫との暮らしや住まいに合わせた考え方と、そのまま参考にできる場面別の挨拶例をご紹介します。
犬と猫では、挨拶で伝えておきたい場面が違います
犬の場合は、散歩でご近所と顔を合わせたり、廊下やエレベーターですれ違ったりする機会があります。そうした接点があるなら、入居の挨拶で伝えておくと、後日会ったときにも話がつながります。呼び鈴や人の気配に反応して吠えやすい子なら、鳴き声に気をつけることを添えてもよいでしょう。
一方、室内で暮らす猫は、ご近所と直接顔を合わせる機会が少ないため、あえて話題にしないという考え方もあります。ただ、鳴き声や走る音が隣や下の階へ届きそうで気になるなら、一言伝える理由になります。
犬だから必ず伝える、猫だから伝えなくてよいと分けず、その子の様子と住まいに合わせて考えるのがよさそうです。ペット可の物件でも、動物が苦手な方が暮らしていることはあります。詳しい紹介より、近くで暮らす相手への配慮を伝えるつもりで挨拶すると自然です。
ペットのことを伝える、場面別の引っ越し挨拶例
基本は「どこに引っ越してきた誰か」「ペットのこと」「よろしくお願いします」の三つです。音が気になる場合は、気をつける姿勢を短く添えるとよいでしょう。以下の例は、そのまま使ってもらえるように書いています。自分の場面に近いものを選んで、部屋番号や呼び方だけ変えてみてください。
犬と暮らす方が、マンションの隣室へ挨拶する場合
「隣の○号室に引っ越してきた○○です。犬を飼っているので、鳴き声などには気をつけていきます。これからよろしくお願いします。」
犬種や年齢まで最初に説明する必要はありません。相手から尋ねられたら、その場の会話に合わせて少し紹介するくらいで十分です。
猫と暮らす方が、下の階へ挨拶する場合
「上の○号室に引っ越してきた○○です。室内で猫を飼っていて、走る音などに気をつけて暮らしていきます。どうぞよろしくお願いします。」
猫のことも伝えておきたい場合の例です。音が気にならず、詳しく話す必要を感じなければ、普段の引っ越し挨拶だけにすることもできます。
戸建てで、犬と暮らすことを隣家へ伝える場合
「隣に引っ越してきた○○です。犬も一緒に暮らしています。鳴き声などに気をつけていきますので、これからよろしくお願いします。」
庭や玄関が隣家に近いなど、気になる点がある場合に添えられる言い方です。戸建てでも、特別にかしこまった言葉に変える必要はありません。
訪問で会えず、入居後の散歩中に初めて挨拶する場合
「こんにちは。先日、○号室に引っ越してきた○○です。この子と散歩でお会いすることもあると思います。これからよろしくお願いします。」
立ち話なら、これくらいの短さでも伝わります。相手が犬に慣れているかわからないうちは、こちらから犬を近づけずに挨拶すると、お互いに気を遣わずにすみます。
最初の挨拶で、ペットのことを言いそびれた場合
「先日ご挨拶した、隣の○○です。お伝えしそびれたのですが、猫も一緒に暮らしています。物音などに気をつけていきますので、改めてよろしくお願いします。」
入居の挨拶で触れなかったからと、すぐに訪ね直さなければならないわけではありません。伝えておきたいと思ったら、次に会ったときに添える方法もあります。
不在が続き、短い手紙で挨拶する場合
「このたび隣の○号室に引っ越してきました○○です。ご挨拶に伺いましたが、ご不在でしたのでお手紙にて失礼いたします。犬と暮らしており、鳴き声などに気をつけてまいります。これからどうぞよろしくお願いいたします。」
手紙を残すなら、部屋番号と名字など、誰からの挨拶かわかる程度にまとめます。電話番号や留守にする時間まで書く必要はありません。手紙は一つの方法なので、次に顔を合わせたときの挨拶でも大丈夫です。
「ご了承ください」より「気をつけます」と伝える
「うるさいかもしれませんが、ご了承ください」という言い方は、音を受け入れてほしいというお願いに聞こえることがあります。「鳴き声や物音に気をつけていきます」と、こちらが配慮する姿勢を伝えると、挨拶の意図が届きやすくなります。
「絶対に吠えません」と約束したり、まだ起きていないことを何度も謝ったりする必要もありません。最初は、丁寧な一言を交わせれば十分です。
マンション・戸建てでは、挨拶する相手を住まいに合わせて選びます
挨拶する範囲は、部屋の位置や隣家との距離、地域の習慣によって変わります。ペットがいるからと広い範囲を特別に回るより、まずは生活が近いお宅を考えてみましょう。
マンション・アパートは、両隣や上下階を目安に
集合住宅では、両隣と上下階など、壁や床を挟んで暮らすお宅を目安にできます。建物の形や間取りによって隣接する部屋は異なるため、「必ず4軒」と決めなくても大丈夫です。角部屋なら片側だけ、最上階なら下の階だけ、というように住まいに合わせて考えられます。
建物での挨拶の慣習がわからなければ、管理会社や管理人さんに相談する方法もあります。
戸建ては、隣家や向かいのお宅などを目安に
戸建てでは、両隣や向かい、裏手など、日々の暮らしで接点があるお宅を目安にできます。家が近接していたり、玄関や庭が隣家の窓に近かったりする場合も、伝える相手を考える手がかりになります。ペットのことは、こうして選んだお宅への挨拶に一言添えるだけで十分です。
地域の習慣が気になるときは、不動産会社などへ先に聞いておくと判断しやすくなります。
訪問は短く、不在が続く場合は無理に会おうとしない
訪問するなら早朝や夜遅くを避け、玄関先で短く済ませるつもりで。不在なら時間帯を変えてみて、それでも会えなければ、手紙や次に会ったときの挨拶に切り替えられます。
挨拶は飼い主だけでも十分です。相手が動物に慣れているとは限らないので、無理にその子を連れて各戸を回る必要はありません。慣れない家で過ごすうちの子も、落ち着いて待てる時間を選べるとよいですね。
一人暮らしなどで訪問に不安がある場合も、無理に各戸を回らず、自分が安心できる範囲で大丈夫です。
手土産は、ペットがいるからと特別なものを用意しなくても、普段の引っ越し挨拶と同じで大丈夫。タオルやお菓子など、相手が気を遣わない程度のものが選ばれることが多いようです。
玄関サインは、挨拶後のさりげない気配りにも使えます
新居の玄関で、来訪者にも犬や猫がいることを知っておいてほしいなら、サインを添える方法もあります。「犬がいます」「猫がいます」という表示は、動物が苦手な方がドアの開く前に知るきっかけにもなります。
必要に応じて、呼び鈴やドアの開閉について短いお願いを添えることもできます。ご近所への挨拶に加えて、玄関先で伝えておきたいことがあるときに考えたい工夫です。
入居後の日常的な配慮については、マンションでペットを飼う玄関まわりの記事でご紹介しています。サインの選び方は、記事末尾の玄関サインの総合ガイドもあわせてどうぞ。
引っ越しの挨拶は、短い言葉で配慮を伝えることから
ペットのことを伝えるか迷ったら、音が届きそうなお宅や、散歩などで顔を合わせそうな相手を思い浮かべてみてください。伝える場合も、その子のことと、気をつける姿勢を一言添えれば十分です。
上手に話そうと構えず、まずは「これからよろしくお願いします」から。ご近所にも、慣れない家で過ごすうちの子にも気を配りながら、新しい暮らしを少しずつ始めていきましょう。




