「火葬せずに、庭に埋めてあげたい」と思う方は少なくありません。土に還してあげたいという気持ちは自然なことです。ただ、法律的に問題がないのか気になる方もいると思います。この記事では、ペットの庭埋葬について日本の法律の観点からわかりやすく解説します。
自分の庭(私有地)への埋葬は違法ではない
結論からいうと、自分が所有する私有地(自宅の庭など)にペットを埋葬することは、日本の法律上、違法ではありません。
ただ、自分の庭だからこそ、気をつけたいこともあります。においや、ほかの動物に掘り返されることなど、くわしくは下の「庭に埋めてはいけないと言われる理由」にまとめました。
火葬せずに埋めた場合、土に還るまで何年?
火葬をせず、ご遺体のまま埋める土葬の場合、土に還るまでの年数は何年とは言い切れません。土の質や水はけ、埋めた深さ、季節、体の大きさで、大きく変わるからです。
やわらかいところが土になじんだあとも、お骨は長く形が残ります。火葬したお骨の場合は、すぐ下で。
火葬したあと、骨壷ごと庭に埋めてもいい?
「火葬はしたけれど、お骨は庭で眠らせてあげたい」という方もいると思います。この場合も、私有地であれば法律上の問題はないとされています。ただ、骨壷ごと埋めるのは、あまりおすすめできません。陶器の骨壷は土の中で何十年たっても崩れず、お骨も壷の中に残ったままになるからです。土に還してあげたいのなら、お骨を壷から出して、そのまま土に埋めてあげるほうが気持ちに近いはず。心配なら、土に還る素材でできた紙や布の袋に包んであげる方法もあります。
火葬後のお骨は乾いていて衛生面の心配がほとんどないので、ご遺体のまま埋めるときほど深く掘らなくてもかまいません。空になった骨壷は、そのまま思い出として置いておく方もいれば、自治体のルールに従って処分する方も。どちらでも大丈夫です。土に還るまでの年月が気になる方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

公有地・公園・他人の土地への埋葬はNG
公園や河川敷など「公有地」、または他人の土地への埋葬は、不法投棄として問題になる可能性があります。動物のご遺体も、法律の上では「廃棄物」に入り、むやみに捨てることが禁じられているためです。「自然の中に還してあげたい」という気持ちがあっても、公有地への埋葬は避けることをおすすめします。
庭に埋めてはいけないと言われる理由——におい・掘り返し・水場・引っ越し
自分の庭でも「埋めないほうがいい」と言われるのは、埋めたあとに困ることがいくつかあるからです。におい・掘り返し・水場の3つは、とくに火葬せずに埋めるときのことです。犬や猫だけでなく、小鳥やハムスターのような小さな子でも、気をつけたいことは同じ。心配なときは、お住まいの市区町村の窓口に聞いてみてください。
においが出ることがある
ご遺体が土に還るまでのあいだ、浅いところに埋めると、においが地上まで上がってくることがあります。暑い時期はなおさらです。お隣との境目や、窓・物干しのそばは避けて、できるだけ深く掘ってあげてください。
ほかの動物に掘り返されることがある
においに気づいたカラスや猫、たぬきなどが、土を掘り返してしまうことがあります。眠らせてあげた場所が荒れてしまわないように、深めに掘るほか、埋めたあとに平たい石や大きめの鉢をのせておく方もいます。
井戸や池、家庭菜園のそばは避けたい
土に還っていくあいだに、しみ出したものが地面の水に混じることがあります。井戸や池、水路、野菜を育てている畑のすぐそばは、避けておきたいところです。
引っ越しや、土地を手放すときに困る
庭に埋めたあとで引っ越したり、土地を手放したりすることになると、一緒に連れていくのはむずかしくなります。ご遺体のまま埋めた場合は、何年たっても形が残っていることがあるからです。「この先もここに住み続けられるか」を、一度考えておくと迷いにくくなります。
賃貸の家の庭は、持ち主の許可なく埋めることはできません。
プランター葬という選択肢
庭がない場合や引っ越しの可能性がある場合、プランターや植木鉢の土の中に埋葬する「プランター葬」という方法もあります。植物と一緒に育てることで供養になるとして選ぶ方もいます。用意するのは、深さのあるプランター(鉢)と草花用の土、植えたい草花くらい。ベランダに置くなら、火葬したあとのお骨で行うと、においが出にくくなります。
ただし、集合住宅のベランダなどに置く場合は管理規約の確認が必要な場合があります。日本の住宅事情からすると、やはり火葬〜お骨壷という選択肢が多くなっているのにうなずけます。
庭への埋葬以外の選択肢として火葬を検討している場合は、費用の目安を知っておくと判断しやすくなります。まず何をすべきか迷っている段階であれば、亡くなった直後にやることをまとめたチェックリストも参考にしてみてください。


このあと何をすればいいのか、順番が分からなくなったときは、看取りから火葬・供養・手続きまでの流れを「ペットのお見送りガイド」に時系列でまとめています。必要なところだけ、開いてみてください。
参考にしたページ・資料
自分の土地以外に埋めない理由(動物のご遺体も法律上は廃棄物に入る・むやみに捨てない) … 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第2条・第16条(e-Gov 法令検索)
自宅に埋めるという方法 … 秋田市「ペットが亡くなったときは」



