お骨壷を開けて「これってカビ……?」と気づくと、胸がぎゅっとなって、「守ってあげられなかった」と自分を責めてしまう方も多いようです。でも、まずは深呼吸してください。落ち着いて対応すれば、できることはあります。ここでは、カビに気づいたときにまず確認したいことと、状況別の対処法をお伝えします。
まずは、カビの場所を確認しましょう
対処のしかたは、カビがどこにあるかによって変わります。
骨壷の内側のフタや側面についているのか、それとも直接お骨についているように見えるのか。まずはそこを落ち着いて見てみてください。湿気がこもりやすいフタの裏や骨壷の内壁に生じていて、お骨そのものにまで及んでいないこともあります。また、カビのように見えても、実はお骨本来の色ムラやミネラル分の付着だった、ということもあります。判断に迷うときは、無理に自己判断せず、次に紹介する対処を試しながら様子を見てみましょう。
骨壷の表面についている場合
骨壷そのものの表面にカビが見られる場合は、まず乾いた場所でしっかり乾燥させることが先決です。湿気の多い時期なら除湿された室内、空気の乾いた日なら風通しのよい日陰へ移して、フタを開けて自然乾燥させましょう。乾かすのが目的なので、風が当たってもかまいません。乾いた後、陶器やガラス製であれば、乾いた柔らかい布で軽く拭き取れることもあります。無理にこすったり、水洗いで直接洗い流したりするのは避けてください。素材によっては傷や変色の原因になることがあります。
お骨のほうに変化がなく、拭き取っても跡が残る、気になって仕方がない、という場合は、骨壷そのものを買い替えるという選択肢もあります。気持ちが落ち着いたら、今の暮らしに馴染む骨壷へ移し替える、という区切り方もあります。
お骨のほうにも変化があるときは、容器を替えるだけでは解決にならないことがあります。その場合は、次の「お骨に直接ついているように見える場合」を先に読んでみてください。今の骨壷を使い続けたい気持ちがあるなら、相談のときにそれも一緒に伝えてみてください。お手入れして使えるかどうかを含めて相談できます。
お骨に直接ついているように見える場合
お骨そのものにカビのようなものが見える場合は、より慎重な対応が必要です。お骨は思っている以上にデリケートで、扱い方を誤るとかえって傷めてしまうことがあります。家庭用の漂白剤やアルコールをかける、水洗いする、電子レンジなどで加熱することは、自己判断で行わないでください。無理にこすったり、息を吹きかけて粉を飛ばしたり、市販の洗剤を使ったりするのも同じです。
まずは湿気の少ない場所でしばらく置いて、しっかり自然乾燥させ、様子を見てください。乾かすのが目的なので、お骨に風が当たってもかまいません。それでも変化が残る場合は、お見送り(火葬)をお願いした葬儀社やペット霊園に相談してみるのもひとつの方法です。骨壷・袋・お骨のどこに変化があるか、ふだんの保管場所とあわせて伝えると、話が早く進みます。
相談では、こんなことを聞けます。
- 骨壷や袋のお手入れ:素材や状態によって、洗浄・乾燥できるか、交換したほうがよいかが変わります。お骨を納めたまま洗うことはせず、乾くまでの一時的な保管方法もあわせて確認しましょう。
- お骨の洗浄・乾燥:お骨への付着が疑われる場合は、遺骨の洗浄・乾燥を扱う専門の事業者に相談するという選択肢もあります。ペットのお骨に対応しているか、処置の内容や費用を事前に確かめておくと安心です。
「相談するほどのことじゃないかも」と迷う方もいると思いますが、大切な家族のことです。気になるなら、遠慮せず聞いてみて大丈夫です。
再発を防ぐために
一度カビに気づくと、「またなってしまうのでは」と不安になるものです。でも、カビが出やすいのは湿度が高いとき。環境を整えることでできる備えがあります。
置き場所の見直しや調湿材の活用など、日常的な対策については、お骨壷の湿気・カビ対策ガイドで詳しく紹介しています。今回のことをきっかけに、骨壷まわりの環境を少し見直してみるのもよいかもしれません。
しっかり乾かして戻したあとは、動物のカタチの調湿オブジェを骨壷の中にそっと入れておく方法もあります。

一人で抱え込まなくて大丈夫です
カビに気づいたとき、「ちゃんと供養できていなかったのかもしれない」と、自分を責めてしまう方もいます。でも、湿度や気候の変化は、どれだけ気をつけていても完全にはコントロールしきれないものです。カビが生えてしまったことは、供養の気持ちが足りなかったことの証ではありません。
気づいて、こうして対処法を調べているその行動こそが、その子を大切に思っている証だと思っています。焦らず、できることからひとつずつ進めていってください。



