火葬を終え、骨壷を抱えて家に帰ってきた夜のこと。「何をしていたか、よく覚えていない」という方もいます。ずっと骨壷のそばにいた、という方も。ただ静かに座っていた、という方も。どんなふうに過ごしても、それがその夜のその人にとって正直な時間だったのだと思います。
一方で、「骨壷を受け取ったけど、これからどうすればいいのかな」「何か準備しないといけないことがあるのかな」ただただ、頭の中が真っ白で「どうしよう…??」と思った方もいるかもしれません。この記事では、最初の夜のことを少し一緒に整理していきます。
特別なことは、何もしなくていいのだと思います
もしあえて言うのなら、、その日は、ひとまず何も決めなくていいです。
お骨をどこに置くか、仏壇はどうするか、いつ納骨するか——そういうことは、もっとあとで考えればいいことです。「ちゃんとしなきゃ」と思う気持ちはよくわかりますが、最初の夜に急いで答えを出す必要はありません。
まずは、骨壷を安心できる場所に置いてあげてください。特別な台は必要ありません。テーブルの上でも、棚の上でも、その子がよくいた場所の近くでも。「ここだ」と感じた場所に、そっと。骨壷のそばに写真を置く方もいますし、好きだったおもちゃや一輪のお花を添える方もいます。何もなくてもいいし、温かい気持ちになれるものがあれば少しだけ置いてもいい。それだけで、その夜の場所が整います。なお、骨壷は直射日光の当たる場所や、湿気の多い水回りのそばは避けるほうが安心です。安定した場所に置くこと——それだけ気にかけておけば、あとはその子がいてほしい場所で大丈夫です。
最初の夜、どんな気持ちになるか
骨壷を受け取って手に持ったとき、「こんなに軽いんだ」と感じた方は少なくないようです。あれだけ温かくて、そばに来るといつも重みがあったのに——と、そのギャップに言葉がなくなることがあります。
骨壷を前にしても、泣けないことがあります。「終わった」という感覚なのか、「まだ実感がない」のか、自分でもよくわからないまま、ただ静かに座っていた、という方もいます。どんな感情になっても、おかしくありません。悲しみはすぐに来ないこともありますし、しばらく経ってから、ふとしたときに涙がこぼれることもあります。感情は人によって違うし、タイミングも違います。「こうならなければいけない」という正解はどこにもなく、その夜の感情がそのまま、その人の正直な気持ちなのだと思います。
その夜、一緒にいるということ
「その子と一緒に過ごした」という方が、意外と多くいます。枕元に骨壷を置いて眠った、布団のそばに置いた——そんな最初の夜を過ごした方の話を聞くと、「それがよかった気がする」という言葉が多いようです。
特別なことではありません。まだ「そばにいたい」という気持ちに、素直に従っていいのだと思います。「自宅にいてくれているほうが安心する」「もう少しだけそばにいてほしい」という気持ちがあるなら、そのままにしてあげてください。それがその夜の自然な気持ちです。
翌日からのこと
最初の夜が明けたら、少しずつ次のことを考えはじめてもいいですし、もう少し経ってからでもいいです。骨壷をどこに置くか、どんな供養のかたちにするか——それはゆっくり決めることができます。「自宅にいてくれているだけで、まだ大丈夫」という気持ちがあれば、そのままそばに置き続けることも、十分に大切な供養のかたちです。
今はまだ、ただそばにいるだけでいい。最初の夜、その夜は、その子とただ一緒にいるための時間なのかもしれません。そう思えれば、少しだけ肩の力が抜けるかもしれません。
手元供養のはじめ方や骨壷の選び方については、手元供養をはじめる——火葬後に骨壷を選び直すという選択もあわせて読んでみてください。



