ペットの火葬には、「合同火葬」と「個別火葬」という2つの方法があります。どちらを選ぶかによって、費用・返骨の有無・お見送りの仕方が大きく異なります。一見すると「文字通り、火葬のタイミングが一緒なだけ」と思われがちですが、実際にはその違いが大きく、選び方によってはその子のお骨が一切手元に残らない場合もあります。
どちらを選ぶかは、後々の供養のかたちに深く関わる重要な決断となります。この記事では、合同火葬と個別火葬の違い、それぞれの特徴や注意点についてわかりやすく解説します。
結論：合同火葬は費用を抑えられるが、お骨の返骨はできません
合同火葬とは、複数の動物・ペットさんを一緒に火葬する方法です。費用が比較的抑えられる反面、他の動物たちと一緒に火葬されるため、個別のお骨を取り分けることはできません。 そのため、その子のご遺骨を手元に残したい場合、お骨壺などに納めての供養を希望する場合は、後述の「個別火葬」を選ぶ必要があります。火葬の後では変更できないため、最初の段階で合同火葬か個別火葬かを落ち着いて慎重に選ぶことがとても大切です。
合同火葬は、他の子とのタイミングを合わせる必要がある場合があります。そのため、業者さんの仕組みによっては、思っていたより待機時間が長くなったり、逆に想定より早くお別れになることもあります。最後の見送りのタイミングを自分で決めにくい、その瞬間をお見送りできない点は、合同火葬のデメリットといえるでしょう。ただ一方で、「他の子たちと一緒ならさみしくないかもしれない」と感じて、安心される感情を持つ方もいらっしゃるようです。
お見送りの違い、合同火葬と個別火葬の比較
合同火葬では、他のペットさんたちと一緒に火葬を行うため、個別のお骨を拾うことはできません。火葬後は他の子のお骨と混ざるかたちになり、遺骨は合同供養塔などの共同の納骨場所に納められるのが一般的です。
一方、個別火葬はペット・動物さんごとに1体ずつ行われる火葬方法です。人の火葬と同じように、ご家族が立ち会ってお骨を拾い（拾骨：しゅうこつ）、お骨壺へ納めることができます。火葬の直前までお見送りの瞬間を見届け、最後まで一緒にいられることから「個別火葬〜個別供養」として選ばれる方も多くいます。
それぞれの方法には特徴があり、費用・タイミング・気持ちの整理の仕方など、家庭ごとに大切にしたい点が異なります。後悔のないよう、供養のかたちを家族で話し合って決めるのが安心です。
| 項目 | 合同火葬 | 個別火葬 |
|---|---|---|
| 火葬の方法 | 他のペットとまとめて火葬 | 1体ずつ専用炉で火葬 |
| 返骨 | なし（合同供養塔などに納骨） | あり（お骨壺へ納め、自宅へ持ち帰り可能） |
| 費用の目安 | 5,000円前後から〜 | 15,000円前後から〜 |
| 立ち会い | 不可 | 可能（立ち会い火葬あり） |
| 向いているケース | 費用を抑えたい方、火葬の立ち会いをしたくない方 | 家族で可能な限り丁寧に見送りたい方、お骨を残したい方 |
想いを込めて見送るということ
姿が見えなくなっても、どんな形であれ“ありがとう”を伝える気持ちは同じです。合同でも個別でも、それぞれに大切な意味があります。たとえ方法が違っても、家族が納得して見送れることこそが一番の供養です。
無理に誰かの選択に合わせる必要はなく、「この子にはこの形がいちばん」と思える送り方を選ぶことが何よりのやさしさです。どんなかたちでも、心を込めて見送るその選択や気持ちが、ペット・動物を想う供養になります。
まとめ：どちらが正しいということはありません
合同火葬も個別火葬も、それぞれに意味と良さがあります。「お骨を手元に置いておきたい」「きちんと見送りたい」と思う方には個別火葬が向いています。一方で、「他の子たちと一緒の方が安心」「費用を抑えたい」「悲しいのでその場に立ち会いたくない」という方には合同火葬が自然な選択になることもあります。
大切なのは、ご家族が納得できるかどうか。どちらを選んでも、その子を思う気持ちは変わりません。どんな形でも、心を込めて見送ることが何よりの供養です。
