お骨壷を実際に手に取ると、「思っていたより大きい」「思っていたより小さい」「入りきらないかもしれない」と感じることがあります。火葬の前後は慌ただしく、ゆっくり確認する時間がとれないことも多いため、実際に現地で手にして初めて気づく方も少なくありません。また当日は火葬場などでひとまず仮のお骨壺に納め、後日改めて家族で選んだお骨壺に移し替える、というケースもあります。この記事では、「お骨壷のサイズが合わない」と感じたときの、現実的な考え方と工夫をまとめました。
骨壷が少し小さいと感じたとき[現在のお骨壺をそのまま使う場合]
落ち着いたあとで改めてお骨壺を見てみると「お骨壷いっぱいにお骨が入っていて、少し窮屈に感じる」という方もいるようです。基本的に火葬場の担当者は多くの経験を持っており、過不足なく収まるサイズを選んでくれることがほとんどです。ただし、自分が思っていたよりもお骨壷の中がいっぱいに見える場合は、次のような点を検討してみるのも良いでしょう。
一部を分けて保管する「分骨」
全骨をひとつに納めることにこだわらず、分骨という形で一部を小さな骨壷やメモリアルアイテムに分けて保管する方法もあります。入れ口付近の手が届く範囲のお骨を適量だけ移し替えるだけですので、心身への負担も少ないでしょう。分骨を行うことで、今のお骨壷のスペースにゆとりが生まれ、それぞれの場所で落ち着いて供養することができます。
大型犬などの大きめのお骨壺の場合には、主なお骨は納骨堂などに安置し、一部を手元に置いて供養する方も少なくありません。また別のパターンとして、長く家族でかわいがってきた子を見送り、息子さんや娘さんが就職や転居で離れて暮らす際に、小さなお骨入れに少しだけ納めて供養する―そんなケースもあるようです。
お骨の入れ方を工夫する
骨の配置を少し変えるだけで、見た目よりも多く収まる場合もあります。位置を入れ替えるためにはお骨を取り出す必要もあり、気持ちの面でもハードルが高いかもしれません。
お骨のかたちは様々ですので、容積だけが大きくなっている場合があります。大きなお骨を中心に、小さなお骨を隙間に入れていくようにすると、全体が落ち着きやすくなります。
力を入れすぎず、お骨が重なり合って割れないように注意しながら、全体の高さやバランスを確認すると安心です。
こうした小さな工夫でも、思っていたより自然に収まり、「この形でよかった」と感じられることが多いようです。
骨壷が少し小さいと感じたとき[新しいお骨壺に移し納める場合]
これからお骨を納める段階で、「お骨壷が少し小さいかもしれない」と感じる場合は、慎重な判断が必要です。
無理に納めようとすると、お骨が割れたり、くだけてしまったりするおそれがあります。一度納めてみたものの、入りきらず・・・やり直したり取り出したりする過程は、お骨への負担だけでなく、ご家族にとっても心苦しい時間になってしまうかもしれません。「入れられるかどうか」ではなく、「安心して納められるか」を基準に考えることが大切です。
明らかに入り切りそうにない場合は、無理をせず、下記のような解決策を検討してみるのも良いでしょう。
そのほうが結果的に心身の負担が少なく、後悔のない選択につながります。
粉骨(ふんこつ)を検討する
お骨を粉状にする「粉骨」を行うと、体積が大きく減ります。粉骨を行うことで、おおよそ4分の1〜5分の1ほどの体積となります。形状が変わるだけで、お骨の量や重さが減るわけではありませんが、粉骨をすれば現在の骨壷にも余裕をもって納められることが多いはずです。専門の粉骨サービスや火葬場で対応してもらえる場合もあります。
新しい骨壷を選び直す
これからお骨を納める場合で、そのお骨壷に明らかに入り切りそうにないときは、無理をせずに別の骨壷を検討するのが安心です。お骨壷は、少しゆとりのあるサイズを選んだほうが、納めるときのご家族の負担も少なく、見た目にも落ち着いた印象になります。また、後々のお手入れや移動の際にも扱いやすく、長く安心して保管しやすいでしょう。
その際は、現在のお骨のおおまかな容量を把握しておくと、ちょうど良いサイズを選びやすくなります。
すでに仮のお骨壷に納めている場合は、直径や深さで大まかな容量を把握したり、ひとまわり大きいサイズ(ワンサイズ上)を選ぶことで、ゆとりを持って納められるはずです。
骨壷が少し大きいと感じたとき
容量に余裕がある場合も、問題はありません。むしろ湿気の管理や中の空気の循環という点では、ゆとりがある方が安心です。ただ、見た目のバランスや中でお骨が動くのが気になる場合には、次のような工夫ができます。
中でお骨が動かないようにする
お骨壷の中に少し空間がある場合は、和紙や清潔な布を軽くかけておくと安心です。骨壷を動かしたときにも中のお骨が安定し、音がしたり崩れたりする心配がわずかですが減ります。
ティッシュやキッチンペーパーなどは湿気を吸いやすく、長期的にはカビの原因になることもあるため避けましょう。
和紙は通気性があり、見た目にも清潔で落ち着いた印象を与えます。布の場合は、淡い色の木綿やガーゼなど、洗濯して乾かしやすい素材がおすすめです。
調湿材を入れて環境を整える
お骨壷の中に調湿材を入れると、湿度の変化をやわらげることができます。梅雨や夏場など湿度の高い時期は、内部の空気がこもりやすくなるため、調湿材を入れておくと安心です。お骨壷の中に少しゆとりがあれば、シリカゲルなどの吸湿剤を入れて定期的に交換することもできます。また、調湿オブジェ「おこつのお守り」は、やさしいデザインで見た目にも穏やかです。
調湿材はお骨の上にそっと添えるようにやさしく置きます。納めた調湿剤は季節の変わり目などに取り出して日陰で乾かすと、長く清潔に保つことができます。
分骨をして小さなお骨壷に一部を移し替える
ワンちゃんなど体格が大きい場合、お骨壷のサイズも自然と大きくなり、自宅での置き場所に悩む方も少なくありません。そのような場合は、一部を小さなお骨壷に分けて保管し、身近な場所にそっと飾るという方法もあります。
分骨したお骨は、リビングや寝室の棚など“その子を感じやすい場所”に置くことで、日々の暮らしの中で穏やかに寄り添うことができます。
大きなお骨壺は自宅の適切に管理できる場所に保管すれば、お部屋のインテリアや雰囲気とも調和しつつ身近に供養することが叶います。
サイズを選び直すときの参考

まとめ
お骨壷のサイズの大小は、多少であれば工夫で調整可能な場合もあります。
大切なのは骨壷の大きさそのものよりも、「その子を安心して迎え入れられる形」になっているかどうかです。
お骨壺という慣れない存在も、日々の暮らしの中で一緒に過ごすことでだんだんと馴染んでいくことが多いもの。焦らず、気持ちに合う方法を見つけてみてください。


