ペットのお骨壺を選ぶとき、「この子の体重なら何寸、どのサイズがいいの？」と迷われる方はとても多いようです。けれど実際には、体重だけでは決められない要素が多くあります。その子の骨格や健康状態や個性、そして「どのくらいのゆとりを持って納めたいかどうか」という気持ちによっても変わります。この記事では、犬・猫・小動物の体格に合わせた保存版の目安表と、選び方の考え方をやさしく整理しました。最終的にはその子の個性やシチュエーションで臨機応変に、「うちの子に合う形」を見つけるためのガイドです。
骨壷サイズの基本を知る〜寸（すん）と容量の関係
ペット用の骨壷は「寸（すん）」という単位で表されます。1寸は約3.03cmで、寸が大きくなるほど容量（cc）も増えます。目安は次の通りです。
| 寸法 | 容量（目安） | 対象の目安 |
|---|---|---|
| 2寸 | 約200cc | 小鳥・ハムスターなど |
| 3寸 | 約500cc | 猫や小型犬など |
| 4寸 | 約1,000cc | 小型〜中型犬 |
| 5寸 | 約2,100cc | 中型犬〜大型犬 |
※この表は、しっぽの骨壷（docco）を基準にした寸法と容量の目安です。一般的な骨壷はメーカーや形状によって容量が異なる場合がありますので、あくまで参考としてご覧ください。
容量（cc）は、実際にお骨を納める体積のことです。お骨壷のわずかな個体差により異なる場合もあります。「ちょうど」よりも「すこし余裕がある」サイズを選ばれる方が多いようです。
お骨壷の寸サイズは「規格」ではなく、あくまで目安
お骨壷の寸サイズは「規格」ではなく、あくまで目安です。もともと「寸（すん）」は昔の長さの単位で、おおまかな直径が◯寸、といったニュアンスで表されています。
洋服でいうS・M・Lサイズのような感覚に近いものです。寸が大きくなるほど直径や容量（cc）が増えますが、ペット用の骨壷には統一された規格がないため、同じ寸法表記でもメーカーや形状、厚みなどによって実際の容量が異なります。そのため、サイズを比較するときは「寸サイズ」という数字だけでなく、実際にお骨が納まる容量や構造を含めて検討することが大切です。実際に入る容量を確認し、お骨よりも少し大きめのサイズを選ぶことで、ゆとりを持って納められます。
犬・猫・小動物の骨壷サイズ早見表【保存版】
※下記はあくまで目安です。同じ体重でも体格や骨量、火葬方法により変わるため、迷う場合は一つ上の寸法をご検討ください。
犬種ごと（小型〜中型）のサイズ目安
| カテゴリ（犬種） | 標準体格の目安 | 2寸 | 3寸 | 4寸 | 5寸 |
|---|---|---|---|---|---|
| チワワ | 2〜3kg | ◯ | ◯ | ||
| ヨークシャー・テリア | 2〜4kg | ◯ | ◯ | ◯ | |
| マルチーズ | 3〜4kg | ◯ | |||
| シーズー | 4〜7kg | ◯ | ◯ | ||
| パピヨン | 3〜5kg | ◯ | ◯ | ||
| ポメラニアン | 2〜4kg | ◯ | ◯ | ◯ | |
| トイ・プードル | 3〜5kg | ◯ | ◯ | ||
| ミニチュア・ダックスフンド | 4〜6kg | ◯ | |||
| ミニチュア・ピンシャー | 3〜5kg | ◯ | ◯ | ||
| ジャック・ラッセル・テリア | 5〜8kg | ◯ | ◯ | ||
| ペキニーズ | 4〜6kg | ◯ | |||
| フレンチ・ブルドッグ（小柄） | 8〜10kg | ◯ | |||
| ビション・フリーゼ | 5〜7kg | ◯ | ◯ | ||
| 柴犬 | 8〜12kg | ◯ | |||
| コーギー | 9〜14kg | ◯ | |||
| キャバリア・キング・ チャールズ・スパニエル | 5〜8kg | ◯ | ◯ | ||
| パグ | 6〜8kg | ◯ | ◯ | ||
| ボストン・テリア | 6〜9kg | ◯ | ◯ | ||
| ミニチュア・シュナウザー | 6〜8kg | ◯ | ◯ | ||
| アメリカン・ コッカー・スパニエル | 10〜13kg | ◯ | |||
| スコティッシュ・テリア | 8〜10kg | ◯ | |||
| シェットランド・シープドッグ | 8〜12kg | ◯ | |||
| ビーグル | 9〜12kg | ◯ | |||
| ボーダー・コリー | 14〜20kg | ◯ |
※目安表です。体格・その子の個性などにより実際のお骨の量は個性があります。迷われる場合は一つ上の寸法もご検討ください。
猫さんのサイズ目安
| カテゴリ | 標準体格の目安 | 2寸 | 3寸 | 4寸 | 5寸 |
|---|---|---|---|---|---|
| 猫（子猫／小柄） | 2〜3kg | ◯ | ◯ | ||
| 猫（成猫） | 3〜6kg | ◯ | ◯ | ||
| 猫（大型種） | 6〜10kg | ◯ | ◯ |
小鳥・小動物さんのサイズ目安
| カテゴリ | 標準体格の目安 | 2寸 | 3寸 | 4寸 | 5寸 |
|---|---|---|---|---|---|
| 小鳥（インコ・文鳥など） | 数十g〜100g | ◯ | |||
| ハムスター | 30〜100g | ◯ | |||
| フェレット | 0.8〜1.5kg | ◯ | ◯ | ||
| ウサギ（小型） | 1〜2kg | ◯ | ◯ | ||
| ウサギ（中型） | 3〜6kg | ◯ | ◯ | ||
| モルモット | 0.8〜1.2kg | ◯ |
※目安表です。体格・その子の個性などにより実際のお骨の量は個性があります。迷われる場合は一つ上の寸法もご検討ください。
サイズを選ぶときの3つの指針
① 骨壷は容量（cc）で考えるのがわかりやすい
寸サイズはあくまで大きな目安に。実際には「3寸＝約500cc」「4寸＝約1,000cc」など、容量（cc）で考えるとイメージがつきやすくなります。実際の容量はそのお骨壷のメーカーにより異なります。形状やデザイン・構造などによって実際に納まる量は変わります。「寸」サイズの明確な規格がないため、実際の容量表記をしっかり確認すること、そしてもし迷ったときには「ひとつ上のサイズ」を選ぶのが安心です。
② ぴったりよりも少しゆとりを持つ
お骨の残り方は火葬施設やその子の個性や健康状態によって異なります。また容量的にはぴったりでも、お骨の形状や納骨する際のお骨の重ね具合によっては、「見た目の容量」が大きく増えてしまう場合もあります。ぎりぎりになってしまい、お骨を無理に押し込むよりも、ややゆとりのあるサイズを選ぶ方が納骨する際も穏やかな気持ちでいられる、という声も多いようです。
③ 骨壷の置き場所やお部屋との調和も大切に
お骨壷は、湿度や温度の影響を受けやすい場所に長く置かないのが理想です。お部屋の中でどこに置くかをイメージしてみると、サイズや雰囲気の合う形が見えてきます。お骨壷のデザインによっては、お部屋の中で大きく目立ちすぎたり、暮らしのスタイルに調和しない場合もあります。窓際や水回りなどの湿気が多い場所も避けたいところ。お骨壷の湿気が気になる場合は調湿作用のある素材、お骨のお守りオブジェ、調湿剤などを一緒に入れることで、安心して保管できると言われています。
まとめ──安心して、そっと納められるように
骨壷を選ぶときに大切なのは、ご家族の「気持ち」と「実際にきちんとお骨を納められるか」の両方です。見た目の印象だけでなく、容量や置く場所、湿度への配慮なども考えてみると、あとから安心できる選択につながります。各種の情報はあくまで目安となるため、やはり少し余裕をみてあげると安心です。
